「これが、琵琶湖パールのママなの?」と大きなイケチョウガイを見つめるミモロ。この中に、虹色に輝く美しい淡水パールが入っているのです。
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平安時代には、すでに琵琶湖に自生し、その存在が万葉集にも詠まれている天然淡水パールの「琵琶湖パール」。
ミモロは、ジュエリーデザイナーであり、「琵琶湖パール」の発展に寄与されている西田裕胡さんにお願いして、その養殖現場を見学することに。
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近江八幡からほど近い、琵琶湖の入江のような場所にある西ノ湖の養殖場です。
そこからボートに乗って、沖にあるイケチョウガイが暮らす場所へと向かいます。
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「わ~ワクワクしちゃう~」と、西田さんたちと乗るボートでも、興奮気味なミモロです。
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さて、ここの養殖場は、斎木さんがご家族と守っていて、斎木さんで三代目になるそう。
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以前は、別のお仕事をなさっていらした斎木さん。現在は、ご両親と共に、琵琶湖パールの発展に尽力なさっているのです。
「ここが、真珠が育っている場所ですよ」と、ボートを止めたのは、水面から何本も棒が出ている場所。
「ここに真珠がいるの?」とまだよくわからない様子のミモロです。
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水深1.5mほどの場所で、柵と言われる棒が並ぶところに、真珠を育む母貝のイケチョウガイがネットに入って吊るされています。
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「この中で、真珠が育っているんですよ~。貝から取り出すには、3年ほどかかります」と斎木さん。
「え~大きくなるのにそんなに時間掛かるんだ~」とビックリするミモロです。
常に、水温や水質に目を配る斎木さんです。
昭和50年代まで、海外で高い評価を得て、ほとんどが輸出された「琵琶湖パール」。その生産量は、最盛期で6000㎏と言われます。しかし、その後、琵琶湖の水質汚染により、母貝が死んでゆき、絶滅を心配されるほどの状況に陥ります。
しばらくして、水質は改善されたものの、ブラックバスやブルーギルなどさまざまな外来種が繁殖し、湖の本来の生態バランスに変化が…。
もちろん生産量は激減。さらに中国に淡水パール養殖の技術が伝わり、世界的な淡水パールのシェアは、完全に中国に奪われてしまうのです。
もともと国内での流通量は、伊勢志摩で生産される海水パールに占められていたため、その存在すらほとんど知れていないのでした。
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「こんなに美しいパールなのに~ミモロも全然知らなかった~」、大粒で虹色に輝く美しさ。ひとつとして同じものがない自然の恵みなのです。
養殖現場を見学した後、母貝への核入れ作業を見せていただくことに…ボートが停泊するそばの小屋へと進みます。
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小屋の中には、たくさんの水槽が…「ここで母貝になるイケチョウガイが育っているんですよ」と斎木さん。
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琵琶湖パールの母貝はイケチョウガイ。伊勢志摩の海水パールは、アコヤガイなどが母貝になります。
真珠を生み出す母貝になるまで、なんと3年かかります。
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その間にも、大きくなれずに死んでしまう貝も多いのです。
そもそも真珠は、簡単に言えば、貝殻成分を分泌する外套膜が体内に入り込んだ異物を貝殻成分で包み込むことでできるもの。それは、貝の健康を保つ行為とも言われます。その後、カルシウムの結晶と有機質が交互に層を形成して何層に積み重ねられ、真珠となります。
「ということは、母貝にとって、真珠って、なんか体内でゴロゴロする異物ってこと?」とミモロ。う~そうとも言えるかも…。
さて、この養殖場で育つ淡水パールの「琵琶湖パール」は、無核真珠と言われるもの。
「じゃ、どうやって真珠ができるの?」とミモロ。
小屋の中の窓際では、斎木さんのお母様が、黙々と作業をなさっています。
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「真珠はこの部分にできるんですよ~」と貝を開いて見せてくれました。「あ、そこね~」
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ここでは、真珠を採った母貝の外套膜の一部を核にすることでできる無核真珠が作られます。
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伊勢志摩などの海水パールは、真珠を作るために、人工物の小さな丸いものを核として、それを中心に真珠層が形成されます。つまり核が大きければ、それだけ早く大きな真珠できるのことに。
でも、琵琶湖パールは、人工物を核にせず、別の貝の外套膜を入れることで真珠層を形成させる手間と時間が掛かる方法をとっています。
小さく刻まれた外套膜を別の貝に入れます。
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その時、目に見えないような埃や異物が入ると、美しい真珠にはならないそう。
神経を集中させた作業が続きます。
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「自然の働きですから、丸くなる真珠は数少ないもの。ちょっと変形したバロックと呼ばれる真珠も、それぞれの趣があって素敵なんですよ」と西田さん。「唯一無二・・・それが琵琶湖パールなんです」と、熱く語る西田さんです。
現在、西田さんと斎木さんは、共に琵琶湖パールの復活と発展のためにタッグを組んで取り組んでいます。
美しいパールを安定的に生産し、それを多くの人に知ってもらいたいと願うお二人。
「琵琶湖パールって素敵だね~」と、ミモロ。「ネコに真珠」じゃなく、その価値がわかるミモロなのです。
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「琵琶湖って、アユやモロコなんか食べ物だけが生まれるところじゃないんだ~」
今後再び多くの外国人観光客が訪れるだろう日本。多くの海外の人たちが憧れる日本産のパール。伊勢志摩だけでなく、琵琶湖も美しいパールの産地として、復活する日が訪れることを…。
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いっそう環境を守る活動が大切であることを実感します。
*ジュエリーデザイナーの西田さんの「びわこパール」のホームページから、パールが購入できる催事や完全予約制のサロンへの訪問などの情報が見られます。
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