友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

優しさは忍耐から

2007年02月13日 23時34分51秒 | Weblog
 私は1週間に1日だけ、デイサービス施設で手伝いをしています。「話し相手になってくれればいいですよ」と言われて、不安を抱えながらも出かけました。この施設には1対1あるいは1対2でなければ対応できないような重度の方が何人か利用されています。

 通い初めて間のない時でしたが、いつも「大丈夫?」が口癖になっている重度の認知症の女性がいつものように「大丈夫?」と言った時、たまたまスタッフが女性の方を見ずに、事務的な調子で「大丈夫だよ」と答えたました。するとその女性は「大丈夫じゃないでしょう」と強い口調で怒りを表しました。

 認知症だから、どうせ何もわからない、そんな気持ちを彼女は敏感に感じ取っていると知りました。私の観察するところでは、認知症の人は言葉が出なかったり、計算ができなかったり、そういうことはありますが、しかし感性は、だからこそより敏感であるように思います。スタッフが自分を理解してくれているのか、もっと単純に言えば、自分を好いてくれているのか、嗅ぎ分けているように思います。人間はどんな状態であっても人間で、自分を受け入れてくれる人を求めているように思います。

 私ができることはただただ利用者の人を好きになることだと考えています。デイサービスでは日を追う毎に利用者が元気になるとか成長するとかいうことはありません。施設では、利用者の人が気持ちよく過ごせたと感じてもらうことが大切なことのように思います。それで経営がうまくいくかどうかは私の知るところではありませんが、誠意をもって利用者の人と接する事の積み重ねが良い結果を生まないはずはないと思います。

 それにしても、こうした施設で働く人は実に大変です。まず第一に朗らかでなくてはなりませんし、忍耐強くなくてはなりませんし、優しくなくてはなりません。私が通っている施設はそういう点では良いスタッフが揃っています。手伝いの私の方が利用者の人からあるいはスタッフの人から教えられることがたびたびあります。人が生きるということは、どこへいってもどこまでいっても、勉強することなのだと教えてもらいました。
コメント (2)
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