友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

花よりダンゴじゃーさびしいよ

2007年02月26日 22時16分41秒 | Weblog
 言葉で人は幸せにも不幸にもなる。日常生活はいつも幸せと不幸の連続だ。「おはよう」と言ったのに知らん顔をされる。「あれってどこだったけ」と尋ねれば、「そんなの知らん」ならまだ良い方で、「知るわけないでしょう」とのっけから言われれば、何か悪いことでも言ったのかとすら思ってしまう。先日の講演会で、「老いの風景」の著者の渡辺哲雄さんは「言葉は人を傷つけることもあるし、喜ばせることもある」と話したが、全くそのとおりだ。だからこそ、相手を気遣う言葉を使う訓練が大切だ。大げさなことではなく、まずは相手の言葉を否定しないことだと思う。

 小6の孫娘はほとんどテレビを見ない。我が家があまり見ないから自然とそうなったに過ぎないが、そこは年頃である。友だちの間で話題になっているテレビを「どうしても見たい」と言う。金曜日の夜10時からの番組だと言うので、「明日は休みだから、この日くらいは遅くてもいいか」と許した。二・三度、私も一緒に見た。テレビドラマ『花より男子(花よりだんご)』は、小6の女の子の間では関心が高いと彼女は言うが、どうも彼女の友だちの間では関心が高いというのが正しいようだ。

 少女漫画を原作としているらしいこのドラマは、全く漫画である。かっこいい男の子(高校生?大学生?)が4人出てくるが、4人とも大金持ちの坊ちゃんである。この設定からして現実にはありえないことを作者は伝えているのだろうが、小6の女の子たちにはそんなことはどうでも良いようで、いつキスするのか、キスしたらどうなるのか、そんなことばかりに関心がある。彼女たちが「私の前にも大金持ちの白馬の王子がきっとやってくる」などと思わないで欲しいと切に思う。

 このドラマは、言葉でやたらと相手を傷つける。主人公の「つくし」なる女の子も時々男言葉でわめくし、「つくし」を好きになる大企業の御曹司も言葉遣いは最低な男で、実に品がない。企業のトップになる運命にありながら、人の苦しみ、怒り、哀しみ、楽しさが全く理解できない。こんな男なのに、この男を好きになるこれまた大企業の令嬢の「しげる」は、どんなに傷つけられても彼を愛し続ける。私からすれば、この「しげる」こそ理想の女性と思えるのだが、どういうわけか御曹司は滅茶苦茶に彼女を受け入れない。好きになるということは損得ではないことを表しているのであれば、この漫画もいいことをいってると思う。「つくし」という名前からして、この女の子は尽すタイプなのかと思って見ていたが、そんなところはないように見える。今のところ、私には「つくし」の良さは全くわからない。

 小6の女の子たちもいつか、本当の恋に出会うだろう。恋することは楽しいだけでなく傷つけ痛ましく哀しいことでもあることを知るだろう。人との出会いは悦びであるとともに悲しみでもあることを知るであろう。愛を受け止めるためには、たくさん忍耐が必要であることがわかるだろう。人はそのようにして生きていくことをいつか知る日がくるであろう。いつまでも夢を追って生きていく人生を送って欲しい。そしてどのように生きることが豊かな人生なのか、知る努力をして欲しいと思う。
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