友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

結果は神様に任せよう

2007年12月28日 23時24分53秒 | Weblog
 お昼に友だちから3度も電話が入っていた。気がついてすぐに電話すればよかったが、なんとなく不安だったのでしばらく置いてから電話した。と言うのも、彼は住民検診で精密検査が必要と判定され、市民病院での検査の結果、肺に腫瘍があることがわかった。その腫瘍が良性なのか悪性なのか、再度検査をする必要があるというので、昨日その検査を受けたばかりだった。

 夕方過ぎになって思い切って電話をしてみた。「ごめん。遅くなったけど、何だった。昨日の検査結果が出たの?」と一方的に話した。ところが彼は、検査結果は1月7日にしかわからないと告げ、「あのさ、年賀状を合併前の住所で出しちゃったんだけど、大丈夫だよな?」と言う。私はビックリした。なんだそんなことだったのか。「おお、大丈夫、心配なんか要らんよ」と言いながら、「いやに周りがやかましいけど、テレビの音?」と聞いてみた。かなりのボリュームで音楽が流れていたからだ。「ここか?ブログに書いた外国人が集まるスナックにいる。今年最後だからと言うので、今、忘年会やっている。25歳のお嬢さんも一緒だ。」と言う。

 ホントに私は早とちりだなと自分のことながら笑ってしまった。この中学以来の友だちのブログを毎日読んでいて、「病気の妄想」に取り付かれていると思い込み、かなりしょげてしまっていると勝手に考えていた。「なに!酒が飲めるのか?」と言うと、「ああ、タバコはやめているが、酒は飲んでいる。」と答える。「しょぼくれていると思っていたが、元気で安心した。」と言うと、「元気だよ。」とテンションを上げて言うので、「この前の時のように、始発列車で帰るような無茶はしないことだよ。でもホントに、元気があるよな。」と言って、彼のブログの話をした。

 彼は、「友だち以上恋人未満」を12年間も続けてきたが、肺に腫瘍が見つかり、彼女にはまだまだ将来があるからと自ら望んで身を引いた。彼女が見るかもしれない彼のブログは、最近では女房とどこそこへ出かけた話や彼が通っている英会話スクールの若い女性たちの話が多く掲載されている。そこには当然「友だち以上恋人未満」の彼女が見ることを想定した計算が働いている。もう一つ、想定して「恋人になって欲しい」ということも以前には書いていた。彼女への「愛」が別れる決心をさせたことは確かだろう。そしてまた、そう決意しながらまだ心のどこかで恋人以上の彼女を求めているのだ。

 人はそう簡単に割り切れるものではない。もちろん世の中には決して脇目をしないと努める人もいる。幸せな中にありながら、もうひとりの人を求めてしまう欲深な人もいる。彼が「友だち以上恋人未満」を続けてきたことも、彼女への「愛」が別れる決心をさせたことも間違いなく事実だと思う。もし私が彼の立場であれば、とても恋人未満に満足していないだろうし、別れを決意することもできないだろう。世俗に染まってしまっている欲深かな自分と比べ、彼はやはり清潔な男だ。大学に入ったばかりの時、友だちで合宿を行ったが、人間には清い面と醜い面が共存するとの私の発言に、彼が殴りかかってきた時と少しも変らない。

 私たちは人生の終末を迎え、自分の生にもがいている。「あのさ、どのような結果が出ようと、それは神様が決めたこと。死ぬまで自分らしく一生懸命で生きればいいんじゃないか。」と私は電話の最後に言った。それは彼に言いたかったことではあるが、私に充実した一日をくれた「愛」への感謝でもある。
コメント
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