友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

一人旅はもういい

2009年02月09日 21時22分37秒 | Weblog
 雪景色を見ながら露天風呂に入る。そんな温泉地へ行ってみたいと思うけれど、一人で行くなら豪華なところでなくてもいい。そこまで書いて、いや一人で旅なんかしたくないなと思った。女性は一人で旅をするような人は滅多にいないが、逆に男性で二人旅というのも余り聞かない。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』は弥次郎兵衛と喜多八の二人旅だが、まずはあんなにうまくいかないような気がする。男性が旅する時は三人以上の方が喧嘩にならないと聞いたこともある。

 私はどちらか言えば一人旅の方が気楽で好きだった。高校生3年生の時、受験勉強に反発して一人旅に出た。日本海が見たかったことと、小学校の時に修学旅行で回った京都と奈良を一人で歩いてみたかったのだ。日本海から京都へは丹後からバスに乗ろうと思っていたのに、実際には京都へ行くバスはなく、列車で行かなくてはならなかった。予定も決めず、宿泊も行き当たりばったりの旅だったけれど、行く先々に出会いがあり楽しかった。

 結婚してからはぶらりと一人で旅をする機会はなくなった。それにもまして、左足が曲がらなくなってからは、安宿にはもう泊まれない。いつだったか、子どもたちと一緒にスキーに行った時、泊まった民宿のトイレは全く昔風のもので、洋式トイレがなかった。これには参った。座ることができないので用がたせない。車で近くにあったホテルまで走った。以来民宿には泊まらず、少々高くても洋式のトイレあるホテルに宿泊するようにしている。

 旅のよさは食事やお風呂に大きく左右されるが、私はどちらか言えば、その街をブラブラと歩きたい。街には独特のにおいや雰囲気がある。街のつくりやそこに住む人々の息遣いのようなものがある。ツアーで行った時はそんなことを味合うゆとりはまずないし、グループで出かける時も余り自分勝手な行動は出来ない。家族での旅行ならそれも可能だろうけれど、そんなゆったりした旅行も最近ではなくなったように思う。

 でも、年老いてきたせいなのか、一人でいるのはものを書いたり本を読んだりする時くらいでいい。食事をする時や旅行の時は、一人よりも気の合った人と一緒の方がどんなに楽しいか計り知れない。知らないところをあちらこちらと見て回ることは楽しいし、好奇心を満たしてくれる。美味しいものを食べることもいいだろう。でも一人は寂しい。

 テレビでカリブ海のリゾートホテルを紹介していた。1泊10数万円だそうだ。開放的でまるで楽園である。そんな素晴らしい施設でも一人ならもっと寂しいだろう。結局は誰と泊まるかだろうし、誰と食事をするかではないだろうか。
コメント
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