友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

女子力の時代

2011年10月02日 23時15分36秒 | Weblog
 NHKは視聴者に女性が多いせいか、女性を主人公にしたドラマが多い。朝の連続テレビ小説『おひさま』や大河ドラマ『江―戦国の姫たち―』、土曜日ドラマの松下幸之助を描いた『神様の女房』などもそうである。いずれも女たちは、主人である夫よりも先に立つわけではなく、むしろ健気に夫を支える女房を演じている。男が主人公であった時代でも、女房の献身的な支えが無ければ、男どもも活躍できなかったのは確かであろう。献身的などと書いたけれど、フェミニズムを信奉する方からは「そういう馬鹿なことを言っている男がいるからダメなのよ」と弾劾されそうだけれど、女がどんな気持ちであれ、男たちには女の「支え」が必要なのだ。

 カミさんが言うには「今は女子力の時代なのよ。だから、江にしても幸之助の妻にしても、仲間由紀恵が出演した『テンペスト』にしても、みんな女の人が男を支えているのよ」と説明する。男は女の支えがあって始めて活躍できるのだろう。それをNHKドラマは教えてくれているのだ。小説家も女流作家の活躍が目立っているし、売るためのエンターテイメントの作家もいれば、人の本質に迫ろうとする作家もいる。女だから娯楽的な作品しか作れないなどと思っているなら、女流作家にしっぺ返しを食らうだろう。それほど、社会の中で女性たちは確かな位置を築いてきている。

 原発事故の放射能の影響を恐れた若いお母さんたちの行動を「過剰反応だ」と冷ややかに見ていた男たちも今では自らの無知を思い知ったことだろう。文部科学省の調査でも放射能汚染は考えていた以上に広範囲に及んでいるし、プルトニウムやウランの放射線の影響はまだ調査すら行われていない。若いお母さんたちの子どもを守りたいと思う本能的な活動が、むしろ放射線汚染の現実を広く知らせてくれたとも言える。男たちは、できるだけマイナスのイメージを抱かないように働いてしまうようだ。たとえば、井戸掘りをしていても、どうもおかしい、水が出ないとなっても、もう少し掘れば水は出るだろうなどと楽観的に見ようとする傾向がある。

 しかし女たちは、もっと現実を直視して、場所が悪いからではないのか、水脈がないのではないかと否定的に考える。男たちのように楽観的に考えれば、仕事への意欲は失わない、けれども再び過ちを犯すことになりかねない。女たちのように現実を冷静に見つめれば、明日への希望は持ちにくい。やっている仕事は堅実で、冒険はしない。また、男はロマンばかり追い求めて、周りの現実が見えないことが多い。女は現実を直視するが故に周りを気にして前に進めない。だから女は男がいなければ、先に進むことが出来ないし、男は女がいなければ現実を見ようとせずに争ってばかりいるだろう。

 男も女が必要であるし、女も男が必要である。だから、必要のために存在しているのかと言えばそうではなく、愛し合っていなくては生きていられない。なるほど人類はうまく出来ている。
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