友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

原発事故の被害

2013年03月10日 18時21分19秒 | Weblog

 映画『内部被ばくを生き抜く』の上映会の案内をいただいて、行ってきた。鎌仲ひとみさんが制作したドキュメンタリーだ。内部にしろ外部にしろ、被ばくしたくない。でも、被ばくっていったいどういうことなのだろう。福島の原発が水素爆発を起こした時、当時の枝野官房長官は「直ちに人体への影響はありません」と発言していた。けれど、原発から何キロ以内の住民は直ちに避難するようにと指示を出し、政府は全く混乱していた。あれから2年が経つけれど、放射能汚染地域は回復の見込みが無いようだ。

 映画では、内部被ばくによって、病気になりやすい身体になっていくことを警告していた。福島の人たちは内部被ばくにならないために、福島県産の農作物や牛乳、魚介類を食べず、県外のものを求めていた。特に放射線は子どもや乳児の身体に蓄積されるという。親たちは子どものために、食料品を選んで食べさせることに懸命だ。テレビでも3・11を前にして、各局が特集を組んでいたが、津波の被害を受けた地域でも復興が見えてこないことに苛立っていた。

 映画の後で、福島から実家がある尾張旭市へ避難してきている若いお母さんが被災の現実を語ってくれた。3歳の長男が大人になった時、福島に戻ることが出来るのか全く見通しが立たないと言う。子どものためには福島に居られない。けれど、福島にはダンナの両親は居る。何の落ち度も無く暮らしてきたのに、原発事故のために家族の生活は全く変わってしまった。怒りはきっとあるはずなのに、感情をぶつけることなく、淡々と語る姿に強さも感じられた。

 映画は、じゃーどうしたらよいのかというところまでは踏み込んでいない。若いお母さんも、じゃーどうしたらよいのかについて、法整備をして欲しいとは言っていたけれど、私たちが何をどうしたらよいのかまでは言われなかった。それは確かにもっと大きな問題なのかも知れない。作り上げていくべき社会をみんなで考えること、それが答えなのだろう。社会が抱える矛盾をみんなが納得できる形にしていくことは容易なことではないけれど、やっていかなければならないだろう。

 道端で満開の紅白の梅を見た。生垣の山茶花も満開だった。春が確実に歩みを速めている。私たち人間もみんなが納得できる社会に向けてもう少し歩みを速められないだろうか。それとも急ぐより着実に歩む方がいいのかな。

コメント
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