友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「世界でいちばん貧しい大統領」の講演

2016年04月13日 16時16分53秒 | Weblog

 「世界でいちばん貧しい大統領」と言われたウルグアイの元大統領、ホセ・ムヒカさんが東京外国語大学で講演した内容が、今日の中日新聞に載っていた。ムヒカさんのことは以前、テレビで見たことがある。給料の大半を貧しい人たちに寄付し、自ら畑を耕し、ポンコツの車に乗っていた。「私は決して貧しくない。質素を好むだけだ」と言う。

 ムヒカさんの若い頃の写真、それは独裁政権に対するゲリラ組織にいた時のものだが、「いかにも正義のために、人殺しも惜しまない怖い顔をしていた」と先輩が教えてくれた。そのムヒカさんは「力では世界は変わらない」と言う。ゲリラであった人が、「力ではない」と言うなら、一体何が世界を変えるのだろうか。

 「人間にはエゴイズムがある。これは自分を守るためで、自然が与えてくれたもの。他方で、人間は連帯や協調で、文明、文化、知識を築いてきた。教育によってエゴにブレーキをかけられる。連帯や協調は、社会を変える力になる」と言う。けれども、人間は神ではないので、ゆっくり諦めずに努力しなくては進まないのだ。

 政治に関心はないとか、政治は重要ではないとか、「政治を放棄することは少数者による支配を許すことにつながる」と指摘する。日本でもアメリカでも多くの先進国で、国民の大半が願っていることと違う方向へ政治は向かっている。戦争はダメと言う国民が大半なのに、自国を守ることが強調され、現実派の政治家を当選させているのはこの無関心のせいだ。

 「私たちはグローバル化した世界で生きている。お金のために働いている。お金で物を買っていると思っているが、実は自分の人生の一定の時間と引き換えているのだ。世界では1分間に200万ドルの軍事費が使われている。こうした世界を分析し、立ち止まり、自分と他の人の幸せを見つけて欲しい。人生で一番大事なものは愛だから」。

 ムヒカさんの演説を子ども向けに紹介した絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)を孫娘に贈りたい。

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