台風が近づいている。投票所になっている小学校も、午前中は混んでいたのに午後は駐車する車が少ない。やはり投票率は下がるのだろう。初めて投票する20代の女性は「不倫した女性は信用できない。小池百合子さんは頑張っている」と、自分の投票の基準を話す。不倫と政治の能力とは関係ないと思うが、世間の見方は孫娘と同じだろう。
50代の女性は「経済をよくしてくれる」政党と言う。「北朝鮮のミサイル」から「国を守り、子どもたちの未来を守ってくれる」政党を選んだと言う。目先の金や安全ばかりを問題にすれば、憲法のことはどうでもよくなる。憲法が改正されたなら、すぐに軍事国家になるわけではないが、武力で人を殺すことが正当な国家にはなる。
アメリカが巨大な軍事力を持つように、中国も負けない軍事国家を目指そうとしている。軍事力のバランスで維持できる平和が、どんなに脆弱なものかは歴史が示している。もうそろそろ、軍事力に頼らない世界平和の構築に向かうべきだろう。安倍政権が続けば、間違いなく憲法改正へと動き出す。そうなると、子どもたちの平和な未来など無くなってしまう。
今日、台風の襲来を気にしながら、「自分らしく生きる―性別違和と歩んだ道のり―」講演会に出かけた。2年前に大和塾の市民講座で講師を務めてくれた結城さんのためにも出かけたかったからだ。2年間でずいぶん話し上手になっていた。性別違和に苦しんできたことがよく分かったし、世の中には区別できない性が存在することも理解してもらえたと思う。
「世界に同じ人はいない。ありのままでいい」と納得できるまで、彼女は辛かっただろう。「障害ではなく、違い」ということも、「みんな何かのマイノリティ」ということもよく分かった。自分らしく生きることは難しい。けれど、自分の人生は自分しか生きられない。今晩、8時にはおよそ衆議院の勢力が判明してしまう。なんとなく暗いのは台風のせいだけではないようだ。