63鉢に植えてあったサルビアを切り取った。明日から1鉢ずつひっくり返し、残った根を取り出して土を太陽に当て、これに肥料を加えて新しい土を作り、チューリップを植える準備にかかる予定だ。こんなに良い天気なのに、明日から台風の影響で雨になるという。自然が相手ではこちらの思うようにはならない。
中東地域には行ったことは無いが、旧約聖書を読むと、人々は移動するが常のようだ。羊を飼っているので新しい草を求めて移動するのだろうが、主食はパンだろうからその小麦はどこで手に入れていたのだろう。ティグリス・ユーフラチス川やナイル川やヨルダン川の流域は古代から穀倉地帯だったはずだから、ここには定住して農業をしていた人々がいた。
農耕に従っていた人々は豊穣を祈り、収穫の祭りもしていたが、旧約聖書の神はこれを邪教とした。飲んで騒いで節操をなくした人々を忌み嫌ったのか、羨ましく思ったのか、ユダヤ教徒は戒律を守り質素な生活を掟にした。やがてキリストが生まれ、戒律よりも愛を説く。愛の教えは耐えてきた人々に受け入れられ、西洋へ広がっていった。
アジアは農業のできる土地だったので、食べることには恵まれていただろう。インドで仏教は生まれたが、北へ伝道され、自然の厳しさの影響を受けた。日本の四季の移ろいが、仏教をさらに深化させた。自然環境と宗教は密接にかかわりあってきたが、ここまで世界がひとつになってくると、これから先はどうなっていくのだろう。
米寿になる先輩の女性から「イシグロ・カズオの作品は読みました?」と聞かれた。「作家の名前さえ知りませんでした」と答えると、「私は以前から読んでいたけど、ノーベル賞受賞は当然と思ったわ。ぜひ、読んでみて」と勧められた。明日は「夏目漱石について」の講演を聞きに行く。