カミさんが珍しく、「時間があるからメナード美術館へ行かない?」と誘う。私はこの美術館の企画にいつも、面白いことを考えると感心する。9月25日まで開催されているのは『美術の森に生きるどうぶつたち』がテーマで、動物が描かれた絵画を集めた企画展である。
動物を描いたというより、絵画の中に動物がいるというものが多い。この作品はどこに描かれているのかとクイズに答えるように見入ってしまう。夏休みの最後の日とあって、親子連れも多かった。
私が「ここにも猫がいる」と感心して見ていると、親子連れのお母さんに「入口のところにもいましたよ。見ましたか?」と声をかけられた。入口のドアの外かと思ったら、中庭に面したガラスにへばりついていた。
真鍮針金で作られた猫で、それぞれの会場の、あるいは廊下の、どこかに針金の猫がいて、それを探すのも面白かった。水谷一子さんという作家の作品で、針金だけなのにいかにも猫らしい。水谷さんの作品は9月1日から10月1日まで、地下鉄千種駅の南東にあるメニコンANEEXのギャラリーMenioでも開催される。
7月は急な入院で、以後はさらに静かに閉じ籠り生活が続いたので、付き合っていたカミさんもちょっと息抜きがしたかったのだろう。ゴルフ仲間と行く喫茶店のチケットがあるからと、そこでランチを食べた。朝の8時半から夕方5時まで、ズーとモーニングが食べられる珍しい喫茶店だ。
先回入った時もそうだったが、多くのジジババあるいはババが友だちと来ている。食べ終わる頃、私の選挙でとてもお世話になった同じマンションのご夫婦が来店された。病院の帰りと言う。私を含めて、何気なくホッとする時間が欲しかったのだろう。カミさんは帰宅してしばらくすると、白内障の手術を受けた眼科へと出かけて行った。
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