友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

男はロマンでも女は金だでね

2013年12月05日 18時15分15秒 | Weblog

 特定秘密保護法案が参議院の特別委員会で、自民党議員から審議打ち切り動議が出され、自民・公明の与党議員によって可決された。与党は本日中に本会議で可決成立させるという。安倍首相や森担当大臣が何度も言ってきた、「丁寧に説明し、充分に審議する」とはこういうことだった。弁護士やジャーナリストらに続いて、ノーベル賞学者らが「法案に反対する学者の会」を立ち上げ、映画製作に関わる人たちが反対声明を出し、少しずつ国民運動になっていく流れが生まれてきたが、遅かった。

 やはり気になるのは、テレビのニュースキャスターと言われる人たちが表に出てこなかったことだ。新聞記者からニュースキャスターになった人が、「反対声明を出そう」と呼びかけたが、「反対だけれど、名前は出せない」と言われたと聞く。第1線で活躍している人たちでさえこんな程度なのかとガッカリした。法案が成立したからといって、直ちに世の中が変わるわけではないけれど、どんな風にでも拡大解釈できるわけだから、権力にとっては「鬼に金棒」である。

 それに、学生が全く動かないというのも不思議だ。12月初日、再来年の就職説明会が大学3年生を対象に行なわれたニュースが放映されていた。学生たちは皆揃ってリクルートスーツで、企業の説明に聞き入っていた。これからの社会のことよりも、再来年の就職が気になるのも分かる。それでも2年生とか1年生なら、まだ就職は先のことのはずだが、大学紛争で揺れていた時でも、闘争に参加していた学生が「就職が決まって 長い髪を切った」(『いちご白書をもう一度』)という歌詞に現実が象徴されている。

 井戸掘りをしている家のカミさんが、「男はロマンだけれど、女は金だでね」とおっしゃる。そんなにあからさまに言われると、「そうばかりじゃーないでしょう」と反論したくなるけれど、「若い時は、愛だ恋だと言っているけれど、だんだん年取ると安定が一番大事になる」と逆に叩き込まれる。確かに男も、ロマンがだんだん小さくなって、庭に井戸を掘ろうとか、玄関にランの花を置こうなどと変わっていく。私が春にチューリップを、夏はサルビアをというのもそんな流れと同じだ。

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16年ぶりの再会

2013年12月04日 18時19分27秒 | Weblog

 久し振りに出会っても、誠実さと情熱は昔のままだった。まだ、私が無党派・市民派の勉強会の代表をしていた頃、「ぜひ、話を聞いてくれ」というので会ってから16年になる。「市民が税金を払っているのに、何で市民がその使い道について蚊帳の外に置かれているんですか。おかしいでしょう。市民全体のために行政はあるし、議員は市全体のために働く者でしょう」。「ボクは市職員の意識を変えたい。議員の質を上げたいんです」。「そう思っているなら、議員に立候補しなさい」と勧めたけれど、結局は出馬しなかった。

 16年経ても、市の行政は変わらないし、議会も討論らしい討論もなく、シャンシャンで終っている。おそらくどこの地方議会も大差ない現状だろう。けれども、ひとりでも「異議あり」と発言する議員がいれば、議会も少しずつではあっても変わっていく。市全体を考える真面目な議員でなければ勤まらない議会に変えていくことも出来るはずだ。「何歳になったの?」と聞くと、「64歳です」と言う。年齢で差別があるわけではないが、ちょっと厳しい。あとは、本人が醸し出す情熱と訴える中身である。

 「とにかく時間はないから、まずやるべきことを書き出して、1つ1つ消していくことですね。それにはまず応援してくれる仲間と、何を掲げてどう進めるか話し合ってください。話し合ううちにいろいろアイディアも生まれるでしょうし、結束も進むと思いますよ」と、アドバイスする。すると彼は、「実は16年前にもこんな手紙をいただきました」と言ってカバンから手紙を取り出した。紛れもない私の文字で、そこにはいくつかの宿題が書かれていた。「同じことにならないように肝に銘じてくださいね」と念を押した。

 民主主義はまだ発展の途中だ。自民党の石破幹事長は、まだ自民党の若手議員だった頃、長老議員とぶつかって自民党を飛び出した。自民党の旧勢力と対立していた頃は怒鳴り声も上げていた。今、幹事長に納まり「大音響で自己主張するのは、本来の民主主義とは相容れない」と言う。整然と行なうデモはいいが、そうでないデモは民主主義ではないと断言するのは権力者の都合である。「何でも自分が言うことが正しいと思っている馬鹿が多い」と言うが、そういうご自分はどうなのかと思ってしまう。

 権力を握ると、反対する者はすべて敵で、叩き潰そうとする。これは政治の中央も地方も同じだ。お互いに「国民のため」「市民のため」に働いているわけだから、その「ため」の中身をさらけ出し、どうすることがよりよいのか検討すべきだろう。問答無用が繰り返される今、まだまだ民主主義は「本来の」姿になっていない。

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石破幹事長の民主主義感覚

2013年12月03日 18時50分17秒 | Weblog

 自民党の石破茂幹事長の発言が問題になっている。石破幹事長は自らのブログで、特定秘密保護法案に反対する市民の街頭デモを、「主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者をひとりでも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と批判した。街頭デモをテロと同じと見ることに驚いたマスコミが、「それはおかしい」と取り上げると、石破さんは「表現に足らざるところがあることはお詫びする」と言い、「テロ行為と変わらない」という部分を「本来あるべき民主主義と相容れない」と訂正した。

 私が石破さんの名前を耳にしたのは、まだ自民党が全盛期の頃だと思う。しかし、このままでは自民党はいつか政権を失うだろう、そういう危機感を持つ若い自民党議員がいた。自民党の中の改革派と称する目立つ人が何人かいた。石破さんはそんな一人だった。昭和32年生まれで、しかも高校生の時から東京で暮らす恵まれた家庭に育っている。大学に入った頃は学生運動も消滅してしまっていたはずだ。石破さんの「本来あるべき民主主義」がどんなものなのか知らないが、少なくとも彼はデモに参加したことがないと文面から分かる。

 私が大学生の時は、60年安保と70年安保の間だったこともあって、全学ストや街頭での警官隊との衝突デモはなかったが、それでも学生たちが集まって街頭デモを行なったことはある。東京の大学では全学ストや激しい街頭デモが行なわれていた。私は教員になり、組合のデモに参加したことも、日教組の青年部からの動員で出かけたこともある。デモ行進は空しい。そんなことで要求が実現できるとは思われない。どんなに大きな声で叫ぼうとも同じだ。

 石破さんが言うように「理解者を増やし、支持の輪を広げるべき」だろう。けれども、国会議員の過半数が賛成すれば、国民の多くが反対している法案でも成立してしまう。そもそも先の選挙で、「特定秘密保護法案を上程する」と選挙公約で示してもいない。数が多ければ何でも出来るというのは「本来の民主主義」ではないだろう。少数意見の者が実力行使に出たり、数の足らない者がデモで訴えたり、それはまだ民主主義が成熟していない証拠であり、権力を持つ側に「聞く」姿勢がないからでもある。

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人生はこれから

2013年12月02日 18時01分39秒 | Weblog

 もう5時過ぎると真っ暗だ。陽が落ちるのが早い。昨日は暗くなるまで作業が続き、家に帰っても何もする気になれなかった。井戸掘りの道具を、水圧を利用するものに換えて掘ってみたがうまくいかなかった。「無駄も仕事のうち」と先輩は言うけれど、なぜか無駄ばかりしているような気がする。あれがダメならこれでと、道具や方法を変えることは大事だと思う。いつまでもダメなことを続けることは愚かだ。けれどもなぜかスッキリしない。

 私たちが2ヶ所掘って、「どうにもドロ層が続いていてこれ以上掘れません」と放り出したところで、井戸掘り専門業者が来て、あっという間に掘っていったという話を聞くと、私たちの技術の未熟さと知恵のなさに愕然とする。経験がないから仕方ないとばかり言うのは逃げだ。ドロ層で水はたっぷりあるのに、汲み上げることが出来なかったのはどこに原因があるのだろう。今回も同じ轍を踏みそうな気がする。

 昨夜、大学生の孫娘から電話がかかってきて、「どうしよう」と言う。何事かと思ったら、どうしようもない気持ちをどこかにぶちまけたかったようだ。「整理ができない」とか「部屋がグチャグチャ」とか「家事を手伝わない」とか、非難を受けることが多い孫娘は昨日、余りに陽気な天候に恵まれ、汚名返上とばかりに溜まっていた家中の洗濯物を一気に洗って干した。ルンルン気分でバイトに出かけ、帰ってきたところ、洗濯物は雨に濡れてびしょびしょになっていた。

 「今日こそは」という彼女の善意は、無残にも打ち砕かれてしまった。泣きたくなって祖母のところに電話してきたというわけだ。「人生はそんなものよ。いい時もあれば、無駄になってしまう時もあるの。あなたが努力したことは別の形で必ず報われるから、諦めてサッサと洗い直しなさい。ええ、ママちゃんだってそんなこと何度もあったわよ。嫌なことは忘れて、楽しいことだけ考えなさい。その方が人生は楽しいわよ」。カミさんの説得がどこまで届いたか分からないけれど、前向きに生きていって欲しいと思う。

 突然の雨はどうしようもないけれど、人はいつも試練に見舞われる。その時、どのように受け止めて乗り越えるかで、その人の人柄が作られていく。いつまでも明るく元気な女性であって欲しい。人生はこれからだよ。

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