ボストンに駐在していたのは、かれこれ10数年前のことです。同じ駐在員の中に、私より20歳くらい上の技術者の方がいて、仕事の直接の繋がりはありませんでしたが、それだけに却って、また同じ大学出身の気安さも手伝って、昼食時など、よく話し込んだものでした。その方は、私が出向した時には、既にボストンにおられて、あちらで定年退職を迎え、その後も日本に帰国されることはありませんでした。一方の私が、その後、ペナンに駐在し、そのままシドニーに横滑りで移動し、再び日本に戻ってくるまでの間も、季節の挨拶のやりとりは続いていて、私の引っ越し続きを知って、うちの会社は相変わらず人使いが荒いねえなんて、冗談半分に同情されたことがありました。その季節の挨拶は、いつも私が出して、返信を頂くという形でしたが、今年の季節の挨拶は、遅れて1月末に出したので、返信は来ないだろうと諦めていたところ、人づてに、私のEメール・アドレスを尋ねておられることを知り、その方のEメール・アドレスを知ったので、今日、Eメールであらためてご挨拶のメッセージを送りました。このご時世で、これまでEメールという手段を使わなかったことが不思議ですが、言葉を選びつつ、失敗は許されないと、自筆で丁寧に一文字ひと文字を書き綴り、写真を添えたりして、数日かかって届くであろう郵便は、却って風情があると感じていました。
その方は、ボストン・マラソンの時は、心臓破りの丘の中腹で、ご家族揃って待ち構えて応援されるのが常で、私のような若造が無謀にも練習もそこそこに第99回大会と第101回大会の二度走った時にも、暖かく応援を送って下さいました。そもそもエリート・ランナーの大会なので、知人と一緒に手造りのゼッケンで潜り込んだものでした。今年の大会の参加者2万3千人と報じられていましたが、恐らく正式にエントリーしているエリート・ランナーは1万人位で、残りはモグリのはずです。コースを、エリートランナーのお尻を追いかけて走るわけですが、スポンサーが用意する給水やドーナツやバナナはちゃっかり頂きます(笑)。主催者側も心得ていて、その分まで用意していてくれます。日本からの旅行ツアーに参加すれば、記録がなくても参加できる枠があるようですが、標準記録を突破して、正式にエントリーして、心臓破りの丘を越える時に、その方の応援を受けるのが、マラソンの次の目標です。私の年齢では3時間30分を突破するのが要件で、簡単ではありませんが、この一年、それをニンジンの餌にして頑張ってみようと思っています。
前置きが随分長くなりました。そのボストン・マラソンがテロに利用され、静かで落ち着いた街の佇まいが、一瞬にして喧噪に包まれ修羅場と化したことに、強い憤りを覚えます。現場の防犯カメラに、帽子を前後逆に被った背の高い白人が容疑者として捉えられたとの報道がありましたが、何故、ボストンか?という思いがあります。私が初めて海外生活をした街であり、子供を初めて授かって、子育てに悪戦苦闘した、雪深い、思い出深い街でもあります。12年前の9・11の時に、ボストン発ロサンゼルス行きアメリカン航空11便が狙われたのは、大陸横断でガソリンを満載しているから被害も大きくなるとの、俄かに信じ難い残酷な理由が説明されました。アイルランド系の移民が多い街で、St Patrick's Dayには、会社の売店のレジのおばちゃんたちが、緑色を多用した仮装をして祝っていたのを、懐かしく思い出しますが、アイルランドの独立闘争(反英テロ闘争)との関連を指摘する声もあります。国際テロ組織アルカーイダ系だけでなく、イランでも、最近、活動が活発との報道もあります。折しもこの時期、毎年恒例の米国出張で(今年は部下に譲りました)訪問するテキサス州では、肥料工場爆発事故がありました。また、ワシントンでは、オバマ大統領や上院議員に猛毒リシン入りの手紙が送られ、容疑者が逮捕されました。それらのいずれも関連性は確認されていませんが、上院で、銃規制強化法案の修正案が否決されて、オバマ大統領は「大いに恥ずべき日だ」と野党・共和党を強く非難したように、アメリカは伝統的に分断された社会であり、連続した事件が発生すると何らかの政治的意図があるのではないかと過敏になります。あるいは、愉快犯かも知れない。そうだとすれば、今後、マラソン大会のように人が集まる賑やかなイベント開催に、暗い影を落とすことを狙った悪質なものであり、いずれにしても一日も早い解決が望まれます。あるボストニアン(ボストンのアメリカ人)が取材に応えて、こう言っていました。「テロの恐怖に生き方を支配されたくない。」まさに思いは同じです。
その方は、ボストン・マラソンの時は、心臓破りの丘の中腹で、ご家族揃って待ち構えて応援されるのが常で、私のような若造が無謀にも練習もそこそこに第99回大会と第101回大会の二度走った時にも、暖かく応援を送って下さいました。そもそもエリート・ランナーの大会なので、知人と一緒に手造りのゼッケンで潜り込んだものでした。今年の大会の参加者2万3千人と報じられていましたが、恐らく正式にエントリーしているエリート・ランナーは1万人位で、残りはモグリのはずです。コースを、エリートランナーのお尻を追いかけて走るわけですが、スポンサーが用意する給水やドーナツやバナナはちゃっかり頂きます(笑)。主催者側も心得ていて、その分まで用意していてくれます。日本からの旅行ツアーに参加すれば、記録がなくても参加できる枠があるようですが、標準記録を突破して、正式にエントリーして、心臓破りの丘を越える時に、その方の応援を受けるのが、マラソンの次の目標です。私の年齢では3時間30分を突破するのが要件で、簡単ではありませんが、この一年、それをニンジンの餌にして頑張ってみようと思っています。
前置きが随分長くなりました。そのボストン・マラソンがテロに利用され、静かで落ち着いた街の佇まいが、一瞬にして喧噪に包まれ修羅場と化したことに、強い憤りを覚えます。現場の防犯カメラに、帽子を前後逆に被った背の高い白人が容疑者として捉えられたとの報道がありましたが、何故、ボストンか?という思いがあります。私が初めて海外生活をした街であり、子供を初めて授かって、子育てに悪戦苦闘した、雪深い、思い出深い街でもあります。12年前の9・11の時に、ボストン発ロサンゼルス行きアメリカン航空11便が狙われたのは、大陸横断でガソリンを満載しているから被害も大きくなるとの、俄かに信じ難い残酷な理由が説明されました。アイルランド系の移民が多い街で、St Patrick's Dayには、会社の売店のレジのおばちゃんたちが、緑色を多用した仮装をして祝っていたのを、懐かしく思い出しますが、アイルランドの独立闘争(反英テロ闘争)との関連を指摘する声もあります。国際テロ組織アルカーイダ系だけでなく、イランでも、最近、活動が活発との報道もあります。折しもこの時期、毎年恒例の米国出張で(今年は部下に譲りました)訪問するテキサス州では、肥料工場爆発事故がありました。また、ワシントンでは、オバマ大統領や上院議員に猛毒リシン入りの手紙が送られ、容疑者が逮捕されました。それらのいずれも関連性は確認されていませんが、上院で、銃規制強化法案の修正案が否決されて、オバマ大統領は「大いに恥ずべき日だ」と野党・共和党を強く非難したように、アメリカは伝統的に分断された社会であり、連続した事件が発生すると何らかの政治的意図があるのではないかと過敏になります。あるいは、愉快犯かも知れない。そうだとすれば、今後、マラソン大会のように人が集まる賑やかなイベント開催に、暗い影を落とすことを狙った悪質なものであり、いずれにしても一日も早い解決が望まれます。あるボストニアン(ボストンのアメリカ人)が取材に応えて、こう言っていました。「テロの恐怖に生き方を支配されたくない。」まさに思いは同じです。