風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

帰ってきたガリレオ

2013-04-17 00:17:16 | スポーツ・芸能好き
 ガリレオと言っても、東野圭吾さんの推理小説が原作の、フジテレビが製作するテレビドラマの主人公、福山雅治演じる帝都大学准教授・湯川学のことです。昨晩、第二シリーズが始まり、もはや嗜好はそれぞれバラバラの我が家にしては珍しくテレビの前に勢揃い・・・と言うのも、テレビでリアルタイムでこの番組を見るのは初めてのことだったからです。第一シリーズ(2007年10月~12月)当時はマレーシア・ペナンに滞在していて、場末の怪しげな電器屋で見つけた海賊版DVDで知りました。毎回、20%を越える視聴率を稼ぐ人気番組だったようで、家族によると、視聴率低迷に悩むフジは再び「ガリレオ」に頼らざるを得なくなった・・・とか。
 その是非はともかくとして、毎回、番組の最初から犯人は分かっていて、その科学トリックを暴くのが見せ場になるわけですが、そこに至るストーリー展開は実はワンパターンそのものです。先ずは「親分てぇ~へんだ~」と言わんばかりに、第一シリーズでは柴咲コウ演じる女性刑事・内海薫が、昨晩からの第二シリーズでは吉高由里子演じる女性刑事・岸谷美砂が、一見、摩訶不思議な事件を持ち込むと、初めこそ無関心を装うガリレオも、オカルティックな超常現象を認めない彼一流の、「全ての現象には必ず理由がある」と豪語する科学者としての矜持を逆手に取られると、助手の制止も聞かずにまんまと乗せられ、「実に面白い」などと呟いて、興味津々、目を輝かせて、事件に惹きこまれて行くというのが一つのパターンになります。続いて、ドラマ中盤では、「再現性の高い現象は必ず科学的に実証できる」という信念のもとに謎解きを試みるわけですが、「さっぱり分からない」などと、高らかに笑い飛ばして、簡単には解けない謎の深さに満足するかのように、はたまた挑発されて喜ぶかのように、勿体をつけるというのも、また一つのパターンになります。そして後半、慎重に観察を続ける内にあるヒントを掴むや、目の前にあるペンかチョークか石などの小道具を引っ掴んで、地面や壁だろうとところ構わずトリックを証明するための方程式を書き殴り、出来上がると、「フレミングの左手の法則」を模した左手を顔に当てるポーズを取って、真実を明らかにした勝利宣言に自己陶酔するというのも、また一つのパターンになります。
 こうして、水戸黄門か、桃から生まれた桃太郎侍か、大岡越前のように、いつもの安心したストーリー展開の中に、ワンパターンの軽妙なやりとりと、科学トリックの驚きの妙が、何故か心地良いのです。人は、いつも何でも目新しいものを求めるわけではない。学校で、職場で、いつもの仲間とじゃれ合いながら、何か一つ面白い話で盛り上がれば、それだけで一日満足するように。
コメント
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