風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

亡国の韓国外交

2016-10-13 23:15:16 | 時事放談
 他人事ながら、これじゃあ「亡国」外交だろうにと同情を禁じ得ないのだが、どうやら本人たちはケロッとしている。このあたりは兄貴分である中国とそっくりだ。わざわざ詳細に報じてくれる産経Webニュースで、従軍慰安婦に関する日韓合意を巡っての韓国側の言い分を追っていると、今さらながら、彼の国に我が国に対する(外交的な意味での)「誠意」を求めるのは「木に縁りて魚を求む」ようなものだと深く感じ入るし、彼の国の外交はブレてばかりで、その辞書には「軸」とか「信義」の言葉のカケラもなさそうだし(少なくとも対日外交では)、そういった観点から「彼の国につける薬はない」と思わざるを得ないのである(なおここで言う彼の国とは、個別あるいは一般的な彼の国の人のことではなく、あくまで外交主体を言う)。勿論、彼の国では、あからさまに「反日」「侮日」「用日」などと議論して恥じることがないように、(彼らにとって儒教的世界観での格下の)日本に対する遠慮のなさ(あるいは甘え)があるにしても、それをも含めて、私たち日本人とは根本的に価値観なり価値体系が異なるものとして、諦めざるを得ないのである。
 報道によれば、二週間ほど前に韓国の元慰安婦支援財団が安倍首相による「謝罪の手紙」を求めたことに対し、安倍首相は「毛頭考えていない」と応じない考えを表明していたが、韓国外相は、今日になって韓国・国会で、この表現が韓国国民の心を傷つけた、と述べたというのである。産経Webから引用すると、さらに韓国外相は「被害者は合意を不十分と考える余地もあると指摘し、手紙での謝罪表明のような『心に訴える分野での努力がもう少し必要だ』と発言。日本に『努力』を要求するかについては言及を避けながら、こうした措置は日本自身の判断で『いつでもできる』と述べた」という。そして、「安倍氏の言葉で韓国人が『非常に心が重くなった』とも述べた」と言う。いやはや継ぐべき言葉が見当たらない。
 事実として繰り返すまでもないことだが、昨年12月の日韓合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」が確認された。日本政府は既に合意に沿って元慰安婦支援財団に10億円を拠出した。合意にならえば、今後この資金をもとに「元慰安婦の女性の尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業」が行われる。この拠出金を巡っては、「韓国側が不公平を避けるため定額支給を主張したのに対し、定額になると『日本による賠償金と受け取られかねない』と警戒する日本側は『使途は医療・介護を想定している』と譲らず、元慰安婦各人の事情に合わせた支給を要求」(産経Web)と報じられていた。賠償金のことを言うなら、既に1965年の日韓基本条約において「韓国の日本に対する一切の請求権の完全かつ最終的な解決」が取り決められていたからである。
 ところが韓国は、ソウルの日本大使館前に慰安婦像が設置されていることが公館の「安寧妨害」や「威厳の侵害」を禁じたウィーン条約に抵触するおそれがあることには目をつぶり、努力規定ではあるものの「関連団体との協議などを通して、適切に解決するよう努力する」と確約し日韓合意に含まれている慰安婦像撤去は野放し状態のまま、安倍首相による「謝罪の手紙」などという合意にはない新たな要求まで暗にしてきたのだから、日本政府関係者が、韓国側は解決の“ゴールポスト”を再び動かそうとしていると不信感を募らせるのも無理はない。
 今度はちょっと古い産経Webの引用になるが、「韓国で慰安婦運動を主導してきた民間団体、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)のユン・ミヒャン代表は韓国が“慰安婦記念日”としている8月14日の集会で『25年間、街で叫び続けてきたハルモニ(おばあさん)たちの声を政府は無駄にした。無能外交だ』などと声を張り上げた」らしいが、こういう報道を見ていると、従軍慰安婦の事実認定が怪しい中、挺対協なる団体は反政府の声を上げるために慰安婦運動を利用しているだけではないかと疑ってしまう。一体、慰安婦問題とはヌエのような掴みどころのなさだ。
 日韓合意は、来年12月に予定される韓国大統領選の政局が本格化し政治の季節に入る来年夏頃までの解決が必須と言われるが、どうも怪しくなってきた。政府間合意とは言え安倍首相と朴槿恵大統領の口約束を次期政権が引き継ぐ可能性は限りなく低い。元慰安婦支援財団も朴槿恵政権内の解散を予定しているため、10億円拠出しただけで元の木阿弥になりかねない。多くの(保守派の)人が、ほれ見たことか、初めから分かっていたことではないかと嘯きそうだが、これが彼の国との外交の現実のようだ。
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