風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

南北会談

2018-01-09 22:54:24 | 時事放談
 2年1カ月ぶりに開催された南北当局間会談で、北朝鮮は平昌五輪への参加を正式表明したという。文在寅大統領には、朝鮮半島情勢不安から、この慶事の成功が危ぶまれていただけに、暗雲晴れて、太陽の代わりに真ん丸の金正恩労働党委員長の仏頂面、否、満面の笑顔がぽっかり現れたかのように受け止められたことだろう。しかも、この8カ月近く、金正恩労働党委員長は文在寅大統領のラブコールを焦らしに焦らした(と言うより完全無視してきた)結果である。交渉のスタートラインからして、金正恩労働党委員長の圧勝である。
 それにしても韓国の左派政権というのはこうも危なっかしいものかと思う。慶尚道(韓国の東半分で右派の地盤、旧・新羅)と全羅道(韓国の西半分で左派の地盤、旧・百済)の対立を、北(旧・高句麗)が利用し、右派の親米日に対抗するべく反日を煽って日韓の分断を図っているだけにしか見えないのだが、たとえ1500年前に新羅と百済と高句麗とで反目し合っていても、さらに東夷の日本よりは民族主義の幻想を捨てきれないのであろうか。
 同じ今日、韓国政府は、日韓の慰安婦合意に関して新方針?なるものを発表したらしい。2年前の日韓合意は「両国間の公式合意だったという事実は否定できない」として日本側に再交渉は要求しないものの、日本が拠出した10億円と同額を韓国政府が拠出し、日本拠出分の扱いを今後日本側と協議するという。日本政府は優しいから、「全く受け入れられない」とわざわざ批判し、東京とソウルでただちに抗議したというが、世間の目がなければ、こりゃ韓国の国内問題に過ぎないと軽く突き放す類いのことのように思う。
 文在寅大統領のやっていることは、前政権の成果を尽く否定するトランプ大統領のやっていることに似ているが、トランプ大統領は、NAFTAにしてもTPPにしても、いやあ被害者(元慰安婦)が納得しないから、とか、国民が受け入れられないから、といった国内問題を盾に(もっと言うと他人のせいにして)国際合意を反故にするような恥ずかしい言い訳はしない。飽くまで(いくら考え方が浅薄で大局を見る目に欠けていようとも)自らの信念として表明しているはずだ。
 こうした韓国の左派政権の弱さは、北朝鮮との交渉でも遺憾なく発揮されそうな気がして、困ったものだと、つい思ってしまうのである。杞憂に過ぎなければいいのだが。
コメント
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