タイトルは、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米国との対話への意思を表明したことに対して、マティス米国防長官が述べた言葉だ。韓国の特使と会談したトランプ大統領は、金正恩委員長の「可能な限り早期の会談」要請を即座に受諾し、「5月までに会談する」と応じたらしい。外交は素人ながら交渉の達人を自負するトランプ大統領らしい素早い反応で、見るからに危うい(笑)。なにしろ首脳同士の会談と言えば最後のセレモニーと捉えるのが外交にも企業社会にも共通する発想であろう。それが(米国務省はロクにまだスタッフが揃っていないと言われる中での)いきなり入口での首脳会談である。もっとも、北朝鮮には過去に何度も裏切られて来た経緯があることを理解しているトランプ大統領は、会談実現の前に北朝鮮に対して圧力緩和などの譲歩は一切しないことも表明した。
それにしても、話がウマ過ぎる。金正恩委員長は、単なる核開発計画の凍結ではなく「非核化」の意向を表明し、今後は核実験と弾道ミサイル発射を「自制する」と約束し、米韓合同軍事演習が4月に予定通り実施されることに「理解を示した」という。しかし、とりわけ過去二年にわたり核開発やミサイル試射を通して緊張状態を作り出して来たのは金正恩委員長その人であり、今さら「非核化」やら「自制」やらを言ったところで、また「理解を示した」ところで、全く腹は痛まない。むしろ、かつて水前寺清子が歌ったように(古い!)「三歩進んで二歩下がる」と言っているようなもので、結果的に一歩前進している始末だ。つまり核保有によって米国が金正恩委員長を対等に扱わざるを得なくなったことを誇示することが出来ているのだ。
しかも、いずれの発言も韓国が代弁しているだけであって、金正恩委員長が自らの肉声で語ったものでもなければ、親書を手渡したものでもない。古来、攻撃の要諦は弱い鎖を衝くことにあり、北朝鮮包囲網で言えば、弱い鎖は韓国であって、金正恩委員長は定石通り韓国の文在寅大統領を籠絡しただけのことではないのか。
というわけで、果たして南北会談に続いて米朝会談が行われるのかどうか・・・日本人が高みの見物などと他人事のようなことを言っていてはいけないのだが、予測不可能な大根役者のトランプ大統領と、ついぞ表に出ることのない金正恩というナゾの役者のカラミの演技を見ることが出来ると想像するだけで、不謹慎ながら甚だ興味深く思ってしまうのであった。
それにしても、話がウマ過ぎる。金正恩委員長は、単なる核開発計画の凍結ではなく「非核化」の意向を表明し、今後は核実験と弾道ミサイル発射を「自制する」と約束し、米韓合同軍事演習が4月に予定通り実施されることに「理解を示した」という。しかし、とりわけ過去二年にわたり核開発やミサイル試射を通して緊張状態を作り出して来たのは金正恩委員長その人であり、今さら「非核化」やら「自制」やらを言ったところで、また「理解を示した」ところで、全く腹は痛まない。むしろ、かつて水前寺清子が歌ったように(古い!)「三歩進んで二歩下がる」と言っているようなもので、結果的に一歩前進している始末だ。つまり核保有によって米国が金正恩委員長を対等に扱わざるを得なくなったことを誇示することが出来ているのだ。
しかも、いずれの発言も韓国が代弁しているだけであって、金正恩委員長が自らの肉声で語ったものでもなければ、親書を手渡したものでもない。古来、攻撃の要諦は弱い鎖を衝くことにあり、北朝鮮包囲網で言えば、弱い鎖は韓国であって、金正恩委員長は定石通り韓国の文在寅大統領を籠絡しただけのことではないのか。
というわけで、果たして南北会談に続いて米朝会談が行われるのかどうか・・・日本人が高みの見物などと他人事のようなことを言っていてはいけないのだが、予測不可能な大根役者のトランプ大統領と、ついぞ表に出ることのない金正恩というナゾの役者のカラミの演技を見ることが出来ると想像するだけで、不謹慎ながら甚だ興味深く思ってしまうのであった。