誰もが悪い冗談だと耳を(あるいは目を)疑ったことだろう。トランプ大統領が15日の記者会見で、「(安倍)首相からノーベル賞委員会にトランプ氏を推薦した『最も美しい手紙』のコピーをもらったと紹介していた」(産経電子版)というのである。早速、今日の衆院予算委員会で、安倍首相は、「ノーベル賞委員会は平和賞の推薦者と被推薦者を50年間明らかにしない。この方針にのっとってコメントは差し控えたい」と述べて、否定しなかったという(同)。確かに第一印象は(なんじゃそりゃ!?)と怪訝に思ったが、第二印象は、それほど悪くない、むしろ妙案かも知れないと思い直したのだった。
というのも、先月のコーツ国家情報長官に続いて、今月はデービッドソン米インド太平洋軍司令官も、上院のそれぞれの委員会の公聴会で、「北朝鮮が保有核兵器や核製造能力を全面放棄する可能性は低い」といった見方を明らかにしていたからで、なんとなく完全非核化を諦めるような観測気球もどきを打ち上げられて、これじゃあ内政に行き詰まって手っとり早く外交成果を誇示したいであろうトランプ大統領も流されやしまいかと懸念されるところ、トランプ大統領の虚栄心をくすぐりながら、飽くまでノーベル平和賞に値する成果を追求するよう念押しした、言わばクサビを打ち込んだと言えなくもないからだ。
これに関して、期せずして櫻田淳氏も、「今後の米朝関係が上手く運ばなかったとしても(上手く運ぶ可能性が高いとは思えないが…)、『本来はノーベル賞平和賞に値した程のトランプの努力を潰したのは、金正恩であった』と主張する材料としては、これは悪くないものかもしれない」と、facebookに投稿されている。
もっとも、金正恩委員長自身も元旦の「新年の辞」(一種の施政方針演説)で初めて「完全な非核化」に言及しており、まだ三十代と若い金王朝の御曹司として、これから先、数十年と最貧国を引っ張って行かなければならない状況下で、いつまでも意地を張っているわけにも行かず、「米国の条件次第では、核を完全に手放す覚悟もあるのではないか」といった見方もある(礒崎敦仁・慶応大准教授)。御曹司にとって、米国にはスタンドプレイが得意なトランプ大統領が、韓国には妙に北朝鮮に融和的な文在寅大統領がいて、(大根!?)役者が揃う千載一遇のチャンスではある。今月末の米朝首脳会談は、実のところ全く予測不可能なのだが、そして頭の中ではそれほど期待できないと割り切りつつ、感情的にはちょっと期待してしまうのである(苦笑)。
というのも、先月のコーツ国家情報長官に続いて、今月はデービッドソン米インド太平洋軍司令官も、上院のそれぞれの委員会の公聴会で、「北朝鮮が保有核兵器や核製造能力を全面放棄する可能性は低い」といった見方を明らかにしていたからで、なんとなく完全非核化を諦めるような観測気球もどきを打ち上げられて、これじゃあ内政に行き詰まって手っとり早く外交成果を誇示したいであろうトランプ大統領も流されやしまいかと懸念されるところ、トランプ大統領の虚栄心をくすぐりながら、飽くまでノーベル平和賞に値する成果を追求するよう念押しした、言わばクサビを打ち込んだと言えなくもないからだ。
これに関して、期せずして櫻田淳氏も、「今後の米朝関係が上手く運ばなかったとしても(上手く運ぶ可能性が高いとは思えないが…)、『本来はノーベル賞平和賞に値した程のトランプの努力を潰したのは、金正恩であった』と主張する材料としては、これは悪くないものかもしれない」と、facebookに投稿されている。
もっとも、金正恩委員長自身も元旦の「新年の辞」(一種の施政方針演説)で初めて「完全な非核化」に言及しており、まだ三十代と若い金王朝の御曹司として、これから先、数十年と最貧国を引っ張って行かなければならない状況下で、いつまでも意地を張っているわけにも行かず、「米国の条件次第では、核を完全に手放す覚悟もあるのではないか」といった見方もある(礒崎敦仁・慶応大准教授)。御曹司にとって、米国にはスタンドプレイが得意なトランプ大統領が、韓国には妙に北朝鮮に融和的な文在寅大統領がいて、(大根!?)役者が揃う千載一遇のチャンスではある。今月末の米朝首脳会談は、実のところ全く予測不可能なのだが、そして頭の中ではそれほど期待できないと割り切りつつ、感情的にはちょっと期待してしまうのである(苦笑)。