風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

今ごろ、オフコース

2019-10-19 16:11:53 | スポーツ・芸能好き
 JALの機内で睡眠をとろうと、久しぶりにオフコースの曲も聴いてみた。高音に伸びがあり、透明感があって・・・という意味で聖子ちゃんと並び称される同じ1980年代の男性ボーカリストとしては、小田和正を措いて他にないと言ってもよいかも知れない。しかし、どうにも歌詞が女々しい(というのは今どき差別用語だろうか・・・)と思われたせいか、当時、男が大っぴらにファンを公言するのは憚られるという不思議なバンドだった。
 しかし存外、音に厚みがあって聴き甲斐がある。大学生の頃、軟派な軽音楽サークルでアリスのコピーバンドを結成し、なお軟派なことに某女子大の学園祭のステージに上がったこともある、思い出すだに恥ずかしい時代だが、すぐ隣にオフコースのコピーバンドがいて、かすみちゃんという女の子がドラマーをやっていたのが滅法カッコ良かった。アリスのコピーバンドがアコースティック中心の素朴な音楽を追求していたのに対し、オフコースのコピーバンドは健気なかすみちゃんのドラムを含めてなかなかヘビーだったのがとても新鮮だった。オフコースの良さをコピーバンドで知るとは皮肉なものだ(いや、知っていたのだが、再認識したというところか)。
 オフコース通算19枚目のシングル「Yes No」の、「きみを抱いていいの~? 好きになってもいいの~?」とはまた実に女々しい(!)セリフだが、実はこれが二番目に好きな曲で、当事者の思いを切々と歌い上げるところにはつい共感してしまう。そして一番好きな曲は、その次のシングル「時に愛は」で、思いのたけを吐露する抒情詩の「Yes No」とは対照的に、愛の叙事詩を他人事のように淡々と突き放して描写する、その抑制的なところがまた良いのだ。
 ついでに三番目に好きな曲は、時代が少し下って、オフコースではないのだが、小田和正のシングル「ラブ・ストーリーは突然に」。トレンディ―ドラマの草分けである、フジの月9ドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌に使われて、自由奔放なリカと優柔不断なカンチの切ない恋物語と、私の中では一体化してイメージ・ソング化してしまっている。鎌倉出身の知人によると、鎌倉高校(通称カマコー)生の頃の彼女は「私、キレイ?」と(聞きようによっては口裂け女みたいだが 笑)真顔で尋ねる不思議ちゃんだったらしいが、ちょっと違う意味での突き抜けた不思議ちゃん振りが、リカのキャラにはよく似合った。
 いずれにしてもオフコースは隠れた名品・・・
コメント
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