風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

GSOMIA狂走曲

2019-11-28 00:49:00 | 時事放談
 その昔、弓月光さんの「エリート狂走曲」なるマンガがあり、大学受験勉強の合間に読んでは自らに“喝”を入れたものだった。そんな懐かしい「狂走曲」の名を冠するのは勿体ないような呆れたドタバタ劇だった。お隣の国は、日本としては引越し出来ないから付き合わざるを得ないが、実に手がかかる国である。思い出すだに気分が悪くなるが、吐き出さないことには精神衛生上よろしくないので、書く(苦笑)
 日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)失効が回避された。日本が原則を貫いたのは、立派だったと言うより、当たり前のことをしたまでであって、むしろこれまで下手に妥協して相手をつけ上がらせたのが間違いだった。それを「ほとんどこちらのパーフェクトゲーム」と得々と語った日本政府高官がいたらしいのは、まことに嘆かわしい。何故、対外関係でわざわざ本当のことを言って、相手の神経を逆撫でする必要があるだろうか。せめてここは武士の情けで相手のメンツを立ててあげるべきではなかったかと思う(もっとも状況次第ではあるが)。
 いずれにしても、文在寅政権は、日本に圧力をかけることを期待して仲介の労を頼ったアメリカから、逆に決断を迫られ、アテが外れた(普通に道理が分かる人なら、韓国のインチキに気づかないはずはない)。直前にはエスパー国防長官や国務次官補に乗り込まれ、上院決議まで出されて、追い込まれた。ぎりぎりまで日本が妥協することにも期待したが、アテが外れた。日本の毅然たる態度に、今までのようなワガママは通用しないことを知って、ちょっとは目が覚めただろうか。しかし、来春の総選挙を控え、外交敗北と見せたくなかった文政権は、日本から妥協を引き出したかのような体裁を貫かんとするばかりに、日本が了解事項を「意図的に歪曲したり、膨らませたりして発表した」などと噛み付き、それに対して日本側から謝罪があったとまで独り芝居のデタラメを言って、日本からつれなくあしらわれるハメになった。安倍政権だってメンツがあるのに、なりふり構っていられない韓国は本当に浅墓である。
 それだけならまだしも、期限三日前に韓国MBCの番組に生出演し、100分間の「国民との対話」とやらを行った文大統領は、GSOMIAを飽くまで「日本に原因がある」「日本の態度の変化が必要だ」と言い募ったのは負け犬の遠吠えとしてもはや無視するしかないが、「韓国は日本の安全保障において防波堤という大きな役割を果たしている。日本はアメリカの安保の傘と韓国の防波堤によって防衛費を削減し、自国の安全保障を維持している。実際、日本のGDP全体に占める防衛費の割合は1%に満たない。一方、韓国の防衛費は2.5~2.6%と非常に高く、それは日本にもプラスになっていると思う」などと世迷言をまくし立てたらしい。休戦中の朝鮮戦争の当事者が防波堤とは、よく言えたものだ(苦笑)。なんなら後方支援基地を提供する日本としては謹んで請求書を回したらどうだろうか(微笑)。北朝鮮は別に日本を狙ってミサイルをぶっ放しているわけでもなければ、核開発しているわけでもない(アメリカとまともにやり合ったら亡国に至るという意味ではシグナリングであろう)。日本が憲法改正し普通の国になろうとするのを散々警戒するくせに、大統領という責任ある立場でよくもデタラメを言えたものだと、相変わらずのことではあるが呆れてしまう。
 いやはや現実をありのままに見ることなく現実を糊塗したファンタジーに浸り続けるとは、かくも正気の沙汰ではない。一国の大統領がこの現実認識で大丈夫だろうかと思ってしまう。困った国である。
コメント
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