一昨日の日経によると、第二次安倍内閣の支持率は68%と、内閣発足後一ヶ月経った時期の内閣支持率が発足時より上がった(+6P)のは、2001年の第一次小泉内閣以来の快挙だそうです。さしたる実績もなく、ただ期待だけが先行している状況で、考えようによっては大したものですが、それも民主党政権が如何に期待外れに終わったかというところに、結果として、助けられていることは間違いありません。例えばアルジェリア人質事件での政府の対応一つとっても、適切と見るのが61%で、適切でない21%を大幅に上回っているのは、民主党政権のお粗末な危機対応が記憶にあるからでしょう。こうして見ると、自民党は、なんだかんだいって(飽くまで民主党と比較しての話ですが)人材が豊富で、政権運営は安定していると言わざるを得ません。支持政党を問う質問でも、自民党49%(+7P)に対して、民主党8%(-3P)、日本維新の会6%(-5P)、みんなの党6%(+/-0)、そして公明党5%(-1P)と連立相手をも食って、ほぼ独り勝ちの状況です。民主党は、余程腹を括らない限り二度と立ち上がれないのではないかとさえ思います。
所信表明演説では、「経済再生、震災復興、外交・安全保障の3テーマに絞り込み」「これに教育を加えた4分野を挙げて『危機突破に邁進する』と決意表明」(昨日の日経・社説)するなど、敢えて国論を二分する(それだけに余計な反発を招きやすい)TPP参加問題やエネルギー政策を避ける、無難で、周到な演出でした。衆院選挙演説の時には、尖閣諸島をはじめとする領土保全や、防衛増強、さらに憲法改正など、保守を前面に出した勇ましい発言を繰り返していたはずですが、いったん内閣が発足するや、これら過激発言を封印し、中国や韓国をさんざん刺激した矛を収めて、特使を派遣するなど、実に周到でした。これまでの民主党政権のように与しやすいヤワな相手ではないと、選挙期間中に十二分に釘を刺した上で、いわばテーブルの下で武器を向けつつ(とまで言うのは大袈裟かも知れませんが)、笑顔で握手を差し伸べる、これもまた心憎いばかりの(外交的)演出です。
最大の課題は、大胆な金融政策、機動的な財政運営、成長戦略の「三本の矢」で推進する経済再生、所謂アベノミクスの成否でしょう。予算案の内実は「公共事業頼みの景気対策と借金依存の財政運営」(今朝の日経・社説)と批判される通り、大胆な金融緩和や財政出動で、持続可能な(と言うことは実質的な)経済成長が望めるわけではなく、規制緩和しなければ投資は盛り上がらないでしょうし、株価が上がっても、年金など社会保障への不安・不信が払拭出来ない限り、個人消費は盛り上がらないことでしょう。円安に振れて、伝統的な輸出産業に追い風になっていますが、当面は良いとしても、いつまでも伝統的な産業に頼り続けて良いわけはなく、長い目で見て新たな産業を振興する必要もあります。そして、それは新たな利権の温床になりかねない。
期待先行なのは勝手ですが、期待に応えられる実質が果たして得られるのか。勿論、実質を実現するのは政府の仕事ではなく、政府が出来ることは飽くまで環境整備なわけですが、それが幽霊なのか枯れ尾花なのか、もう少し見極める必要があります。
所信表明演説では、「経済再生、震災復興、外交・安全保障の3テーマに絞り込み」「これに教育を加えた4分野を挙げて『危機突破に邁進する』と決意表明」(昨日の日経・社説)するなど、敢えて国論を二分する(それだけに余計な反発を招きやすい)TPP参加問題やエネルギー政策を避ける、無難で、周到な演出でした。衆院選挙演説の時には、尖閣諸島をはじめとする領土保全や、防衛増強、さらに憲法改正など、保守を前面に出した勇ましい発言を繰り返していたはずですが、いったん内閣が発足するや、これら過激発言を封印し、中国や韓国をさんざん刺激した矛を収めて、特使を派遣するなど、実に周到でした。これまでの民主党政権のように与しやすいヤワな相手ではないと、選挙期間中に十二分に釘を刺した上で、いわばテーブルの下で武器を向けつつ(とまで言うのは大袈裟かも知れませんが)、笑顔で握手を差し伸べる、これもまた心憎いばかりの(外交的)演出です。
最大の課題は、大胆な金融政策、機動的な財政運営、成長戦略の「三本の矢」で推進する経済再生、所謂アベノミクスの成否でしょう。予算案の内実は「公共事業頼みの景気対策と借金依存の財政運営」(今朝の日経・社説)と批判される通り、大胆な金融緩和や財政出動で、持続可能な(と言うことは実質的な)経済成長が望めるわけではなく、規制緩和しなければ投資は盛り上がらないでしょうし、株価が上がっても、年金など社会保障への不安・不信が払拭出来ない限り、個人消費は盛り上がらないことでしょう。円安に振れて、伝統的な輸出産業に追い風になっていますが、当面は良いとしても、いつまでも伝統的な産業に頼り続けて良いわけはなく、長い目で見て新たな産業を振興する必要もあります。そして、それは新たな利権の温床になりかねない。
期待先行なのは勝手ですが、期待に応えられる実質が果たして得られるのか。勿論、実質を実現するのは政府の仕事ではなく、政府が出来ることは飽くまで環境整備なわけですが、それが幽霊なのか枯れ尾花なのか、もう少し見極める必要があります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます