風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

アジア紀行(上)

2012-12-15 21:55:57 | 永遠の旅人
 出張で一週間、シンガポールとクアラルンプール(マレーシア)とメルボルン(オーストラリア)に行っていました。そのため、北朝鮮のミサイル発射(ちょうどその日に訪れていたマレーシアの華人はCrazyだと顔をしかめていました)と、この一週間の選挙戦(シンガポールとマレーシアのタクシーの運ちゃんが、日本では首相が毎年のように交替しているねえと笑いながら、その名前をすらすらと言えたこと(日本人観光客向けのパフォーマンスか!?)、それに引き換え小泉は良かったのにねえと異口同音に言ったことが驚きでした、ああいう明るくて実行力があるように見える指導者が好まれるのでしょうか、きっとリー・クアン・ユーとかマハティールと重ね合わせているのでしょう)について、すっかり疎くなってしまいました。さて、その時の印象です。
 シンガポール、クアラルンプールという、東南アジアを代表する都市を訪れて、勿論、毎度のことながら時間に制約がありましたので、たまたまかも知れませんし、訪れたのは日本で言えば六本木か渋谷のようなところだったと思うので、ある意味で当然とも言えますが、昼飯時などにレストランに行くと、若い人で賑わって、まさにアジアの成長を牽引しているかのような活気があって、羨ましく思いました。空港やホテルがあるビルに隣接するショッピングモールの巨大さといったら、大震災を経験した我々日本人からすれば無駄じゃないかと思えるほどの空間と資材とエネルギーをふんだんに使い、開発独裁と揶揄されようがお構いなし、豪華さを競い合っているかのようです。
 シンガポールに到着したのは日曜夜で、One Fullertonという、マーライオンの隣、高層屋外プールがある空中庭園「スカイパーク」で有名な、5000億円を越える資金を投じたと言われる複合リゾート施設Marina Bay Sandsを目の前に臨むレストランで、シーフードを堪能しました。夜8時と10時に光を使った演出が行われるのも、カネに物言わせた中国人的な豪華さが、むしろ清々しいほどです。私が会社に入った20数年前は、先輩や上司が、シンガポールの食事は不味いと頻りにこぼしたものでしたが、今、私が抱く実感とはかけ離れています。思うに、当時のそれはニョニャ料理だったのではないか、その後、どんどん新しい中国人が入植し、どんどん新しくて美味しい中華料理が古い中華料理を塗り替えて行ったのではないか。光の演出を見ながら、成長するアジアの象徴として、訪れるたびに地図が変わる、見た目のビル街の様相も変わる、この国々の変貌ぶりに、目を見張る私でした。
 上の写真は、まるで新しい観光名所Marina Bay Sandsに向かってスペシウム光線を放つかのような古めかしい観光名所のマーライオン。
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