風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

史実を世界に発信すること

2013-06-11 00:56:36 | 時事放談
 カリフォルニア州グレンデール市が韓国人の要求を受け入れて慰安婦の碑を建てることを決めたそうで、これに反対する日本在住のドイツ系アメリカ人歴史家、マックス・フォン・シュラー・小林(元・在日米軍海兵隊、「日出処から 日米関係の哲学」代表講師)という方が、抗議の公開書簡を送ったそうです(4月3日付)。この話は、「史実を世界に発信する会」のサイトで知りました。
 このサイトは、兵頭二十八さんってどんな人?と思ってWikipediaを調べていて、たまたま発見したものです。保守派の論客が集まって、外務省がやるべきことをやらないからと、日本語の論文を地道に英語に翻訳して、史実を世界に向けて発信し、中・韓の誤った論説に対抗しようとされていて、その志は素晴らしい。
 さて、先のドイツ系アメリカ人歴史家の方の書簡(以下にURLを貼っておきます)を見ると、正論であり、かつて日本の保守派の方々がアメリカの名だたる新聞に意見広告したのと似ていて、さらには先日の橋下さんの発言とも似ていて、史実を質したい気持ちが伝わってきます。日本の行いだけが何故非難されるのか!?との理不尽な想いがあり、日本だけが例外じゃないと反論したくなるのは、なにも橋下さんだけではありません。
 しかし、こうした発想で国際世論(?アメリカ世論?)が動くような状況ではもはやないと主張される方もいます。慰安婦問題は、女性の人権問題へと昇華し、一つの象徴ともなっており、極端な議論ですが、アメリカにはかつて奴隷制があって、その当時はそれで仕方なかった、などとは今や言えない状況にあるのと、実は同じことなのだ・・・というようなことを、元・外交官の東郷和彦さんが言われていました。そんな歴史を現代から裁くような不遜を、堂々とやって恥じることがないのかと、私はつい思ってしまいますが、それがアメリカの極端なところなのでしょうか。このあたりの論考の当否は、もう少し調べてみたいと思います。

http://hassin.org/01/wp-content/uploads/Glendale.pdf
http://www.sdh-fact.com/CL02_3/27_S1.pdf
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 橋下発言その後(下) | トップ | 泥仕合で評価を下げること »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あんびばれんと)
2013-06-11 10:33:21
それぞれの国の持つ歴史の長さと深みに関係があるのではないでしょうか?アメリカは或る意味All Resetでできた国で、かつ、自国こそが世界基準だと信じて疑わない。となれば、自国の都合に合わせた主張をするのは当然でしょう。他国の事情や過去の出来事などを考慮したり配慮したりする必要性を感じないのではないでしょうか。その思い切り、というか、軽さ、が魅力でもあるわけですが。
このビデオはアメリカの現状の一側面を表わすものと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=NBF5-ktmx7M
返信する
Unknown (風来庵主人)
2013-06-12 00:28:36
アメリカは、そうでしょう。なにしろ”Manifest Destiny”を奉じ、アメリカ国内から太平洋を越えてアユーラシア大陸の占領まで正当化するような普遍主義の国です。アメリカ人の多くはパスポートを持っていなくて、世界地図なんてほとんど見たことがないだろうとまで揶揄されます。西の中国と同様、資源豊富な大陸国故の傍若無人と言えるでしょうか。実は日本も、海流という天然の要塞に囲まれた島国で、似たような傍若無人に飛躍しかねない国民性なので、気を付けた方がよいですね。
返信する

コメントを投稿

時事放談」カテゴリの最新記事