

《藤山寛美》1990年5月
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米朝 結局、肝臓自体は悪ないのやけど、私、胆嚢(たんのう)取ってしもうてあらへんので肝臓機能がどうしても弱るから、ビール1本ぐらいなら毎日飲んでもかまへんけれども、「飲み出したらそうはいかん」と言うのや、私は。
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寛美 独裁者やないと文化は残りまへんのやと。じゃなかったらね、この戦後、この40何年の間に何の文化が残ってます?やっぱりワンマンの時に残る。宮城一つにしてもやっぱりしかり。奈良にしたって、大仏さんにしたって聖武天皇が残してます。つまり、ワンマンでなければ文化は残っていかないです。
[ken] 私が、胆のうを摘出したのは昨年の12月17日でした。今ではすっかり傷口も治癒し、減った体重も元に戻りましたが、「肝臓機能がどうしても弱る」という言葉にドキッとさせられました。50歳ごろから、毎年の定期健康診断で「脂肪肝」を指摘されていましたので、これから肝に銘じていこうと思いました。それから、寛美さんの「独裁者やないと文化は残りまへん」という言葉は、現実感覚や歴史認識の深さを感じました。良い悪いは別にして「文化とはそういうもの」なのですね。(つづく)