《林正之助》1990年9月20日
【381ページ】
林 ----。飛行機が寒うて寒うてねぇ。
米朝 そうでしょう。
林 ふっと後ろを見たらエンタツがいまへんのや。どないしょってんなと思うたら、ふっと見たら、つくばって(しゃがむ)煙草吸ってまんねん。(笑)そやから、しゃべれませんから、「こんな飛行機の中でたばこ吸うたらいかんのや」いうて身ぶりでしたらね、火つけて、わしにまた煙草をくれまんのや。(笑)そやし、「ちがうねん!」いうて消したんです。
[ken] 林さんは吉本興業中興の祖といわれ、その語り口にはユーモアたっぷりでした。歌舞伎などの伝統芸能、そして浪曲、お笑いなどの大衆芸能を普及させ、担い手を育成してきた手腕には脱帽でした。
今回の抜き書きでは、詩吟教室をやっていることもあり、改めて芸事やお稽古事のむずかしさを実感させられました。
そして、芸事において何が大事なのか、近道はなく忍耐も必要であることなど、「軽妙な対談の奥底に達人技が潜んでいるのだ」と思ました。(終わり)
【381ページ】
林 ----。飛行機が寒うて寒うてねぇ。
米朝 そうでしょう。
林 ふっと後ろを見たらエンタツがいまへんのや。どないしょってんなと思うたら、ふっと見たら、つくばって(しゃがむ)煙草吸ってまんねん。(笑)そやから、しゃべれませんから、「こんな飛行機の中でたばこ吸うたらいかんのや」いうて身ぶりでしたらね、火つけて、わしにまた煙草をくれまんのや。(笑)そやし、「ちがうねん!」いうて消したんです。
[ken] 林さんは吉本興業中興の祖といわれ、その語り口にはユーモアたっぷりでした。歌舞伎などの伝統芸能、そして浪曲、お笑いなどの大衆芸能を普及させ、担い手を育成してきた手腕には脱帽でした。
今回の抜き書きでは、詩吟教室をやっていることもあり、改めて芸事やお稽古事のむずかしさを実感させられました。
そして、芸事において何が大事なのか、近道はなく忍耐も必要であることなど、「軽妙な対談の奥底に達人技が潜んでいるのだ」と思ました。(終わり)