前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

「奇跡の泥炭地 中池見湿地」

2009年07月16日 | Weblog
   ゆきのした文化協会が発行している機関誌「ゆきのした」。以前は、冊子だったが最近は8ページぐらいになり少しさみしい。しかし、関係者の努力によって発行され続けていることはつぎの「冊子復活」を準備するものとして期待したい。
   私が「ゆきのした文化協会」をはじめて知ったのは、大学時代に帰省した時のこと。当時、福井駅前にあった「ひまわり書店」で、たしか「父と子の原発ノート」とかいう題名の本と出会ったこと。さっそく買い、「へー福井にもこんな凄い本をだす出版社があるんだ」と感動した。

   ほどなく、就職活動の時期を迎え、企業訪問を繰り返している友人たちから「佐藤、どうするんや」と何度となく聞かれた。
  思い切ってダイヤルを回し、「あのー、来年は大卒の採用はありますか」と電話に出た男の人にたずねた。男の人は、「ありませんね」と答えたと思う。電話先が「ゆきのした文化協会」であった。がっくりきた。私の就活第一発は失敗に終わった・・・・。

          ★

  今年の6月発行の通巻413号に書評がある。荒川勝巳さんが「クモクモ仙人の一冊」として、故・斎藤眞一郎著「奇跡の泥炭地 中池見湿地」を紹介している。
  私もさっそく一読。「中池見はいかに救われたか」「泥炭地湿地と現代」の大きく2章にわかれているが、専門家による専門書ではないこともあり素人にも読みやすく、また運動に参加してきた迫力がある。

  福井県敦賀市の中池見湿地に大阪ガスによるLNGガスタンク計画が発表された1992年、わたしは共産党の嶺南地区委員長だった。共産党敦賀市議団とともに、「沼田へのガスタンク建設、パイプラインでの長距離ガス輸送、活断層のある地域でこれは無謀な計画だ」と話し合ったのを思い出す。
     その後、私は敦賀を離れたが、敦賀市民のみなさんの運動と、福井大学はじめ全国の専門家の力との共同で、大阪ガスの計画は中止に追い込まれた。

     貴重な湿地を守る運動は、オクスフォード大学出版局刊行の教科書「泥炭地の生物学」にも引用・紹介されるなど、世界的に有名になっていることも紹介されている。
     また、カナダ、アイルランド、イギリスの泥炭地紀行も、「福井市の非凡な主婦・森田智子さん」とのエピソードや9.11テロの日、ドイツ娘に「神風を知っているか」と質問し、「ヨーロッパでカミカゼを知らない人はいないわ」とかえされ、「歴史の教訓はヨーロッパ社会ではきちんと継承されていた。自虐史観などと称してごまかすどこかの国とは大違い」と感想を述べているなど、読んでいて楽しい。

      「露命幾ばくもない病床にあって、私はともかく1冊の書を書き上げた」・・・著者の執念がこもった本である。多くの福井県民に読んでもらいたい1冊。

  自費出版
    ご希望の方は、定額小為替か現金書留で 2000円を添え、趣旨を明記して
直接申し込んでください。

242-0005
  神奈川県 大和市西鶴間 6―18―18
     斎藤 好子 さん宛