前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

NAC  Nの悲劇

2009年07月21日 | Weblog
       いわゆる車を監視し記録するNシステムについて、先日のマスコミがいっせいに報道した。共同通信・・・・・・・・殺人事件の証拠開示請求をめぐり、警察庁が自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)のデータ記録や解析報告書について「裁判所が開示命令を出す可能性は否定できない」として、全国の警察に秘密保持を厳守するよう指示していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
      取り調べ対象の容疑者らにデータ記録を直接示すことなどを禁じており、最高検も「データの証拠化を警察に求めず、取り調べ対象者がデータの存在や内容に気付くような受け答えを禁止する」と全検察官に指導した。
      最高裁が警察官の備忘録(メモ類)を証拠開示の対象と認めるなど、裁判員裁判の実施を前に捜査資料を被告側にも可能な限り示そうとする司法の姿勢に対し、捜査当局側が危機感を募らせた結果とみられる。“秘密主義”をさらに徹底させる今回の方針は、国による情報管理の在り方として論議を呼びそうだ。
      Nシステムは高速道路などで車のナンバーを記録する装置。犯罪捜査に有効な半面、プライバシー保護上の問題点などが指摘されている。・・・・・・・・・・

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        2003年9月福井県議会でわたしは次のように質問した。・・・・・

         今回の議案では、道路を通過する自動車のナンバーを記録する新NACシステムを12ヵ所に配備し、容疑車両の割り出しに活用することが提案されています。私の照会に対して県警本部は、読み取られるデータは自動車を識別する目的から、見やすいように表示しなければならないとされているナンバープレートの文字情報だけであるので、プライバシーを不当に侵害するものではないと回答しました。
         しかし、県警本部自身が「NACとプライバシー等に関して論じた文献は特にない」と書いているように、この分野はそういう意味では犯罪取り締まりと国民の基本的な人権との整合性について法的にも未解明で、国民的なコンセンサスが得られていない分野だと思います。
          また、文字情報だけだからプライバシーを不当に侵害しないと言いますが、いつ、どこを、だれが使用者の車が通過したということが記録され、国民の移動情報が記録されるわけです。そういう点で、このシステムの運用、記録の管理などについては厳格なルールが定められて当然ではないでしょうか、見解をお尋ねをいたします。



          当時の内田淳一県警本部長の答弁・・・・「NACシステムとプライバシーの関係、その管理運用について見解を問うというお尋ねであります。
          お尋ねのシステムは、道路運送車両法に基づきまして見やすいように表示しなければならないとされております自動車のナンバーを、犯罪捜査のために公道上において読み取るものでありますので、プライバシーを不当に侵害するものではないと考えております。
          なお、その取り扱いに当たっては、当然のことながら、犯罪の捜査に必要である場合のみデータを使用し、アクセスについても捜査を指揮する上級幹部の判断により、厳格な管理運用をしているところであります。」・・・・


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         Nシステムは高速道路だけでなく地域の主な幹線道路などにも設置されている。わたしが、県議のときに「予算で設置するNACの位置の開示」を求めたが拒否された。普通の予算審議では「この道路予算はどこの道路の予算か、教えません」などということはありえない。

       国民が知らない間に、自分に関する情報が蓄積されていく。しかも、それが裁判などで必要な場合も公開されない。ではなんのために収集するのか。それは、ひとり「国家権力」のためだけである。・・・・・これは、「Nの悲劇」。
       いよいよ総選挙。政治の中身を変えることは、このような部分にまで国民的監視をゆきとどかせることと一体でなければならないのではないか。