前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

「なんでも相談会」、福井の新幹線計画の問題点

2010年06月07日 | Weblog
    昨日は、福井市中央公園で開かれた「なんでも相談会」にかわえ明美比例代表予定候補、鈴木市議らとともに参加。相談には、借金返済や、住む家・生活費がない、などさまざまな相談の方々がおとずれました。弁護士や社会保険労務士、私たちが相談に応じました。
    休憩中に医療生協の「健康チェック」を受診。血圧、体脂肪など、まあ問題はありませんでしたね。一安心。
 
    ひきつづき、地域後援会のみなさん方と、「つどい」のお誘いなど地域訪問・対話に取り組みました。「いよいよ選挙ですね、がんばってください」など多くの激励をいただきました。ありがとうございました。


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   先日、ある会合で北陸新幹線問題について短いお話をさせていただきました。 
  
はじめに
○ 西川県政の動向について
○ 従来の共産党福井県委員会の政策
 高速交通網の整備は必要。つくるなら若狭まわりで。しかし、建設費負担と在来線3セクの現行スキームには反対。

○発展させた党の政策
現状は、新幹線がきた地域の3セクの経営が厳しい。県民のなかにも期待は薄い。そこで、一昨年7月に、「金沢以西の建設は凍結を」と提案。このことによって、基本的に、建設費負担はなく、在来線もJRが責任をもつことによって自治体の財政負担を回避できる。その財源を、命と暮らしを守る政策、高齢化時代に対応した地域交通網の充実などに活用できる。


1、最近の情勢《他県の運動の取り組み資料などより》
●富山・石川・新潟・長野県の4県知事がJRからの経営分離をすすめる旧政府の「政府・与党合意」を�見直す�方向で「合意」。この4県に国交省、JR西日本、JR東日本、鉄道・運輸機構を加えた8者会議も開催され、随時、国交省やJRの担当者を交えた専門部会をつくり議論がすすめられる。
 この背景。前原国交相が「自民党・公明党連立時代の政府与党合意は白紙に戻す」と表明し、「JRも当該地域における鉄道事業者として、経営分離後も並行在来線維持のためにできる限りの協力と支援を行う」ことや、貨物鉄道ネットワークも検討するなどの「整備新幹線の整備に関する基本方針案」を明らかにし、夏頃までに新たな方向を出すことにしたから。

 
●新潟、富山などの運動方向と、福井県の違い
 ○JRは並行在来線の運行と維持を経営経費に組み込み社会的責任を果たし、国は地域交通と貨物鉄道の全国ネットワークを守る役割をはたせ。
  ・・・・譲渡するJR施設・設備価格の引き下げ、JR貨物線路使用料引き上げ、JR貨物の資本参加、JR東日本の青い森鉄道支援、新幹線「長崎ルート」の並行在来線では上下分離とし運行はJR九州が行うなどの新たな処置
 ・・・・・・1月21日の8者会議でJR西日本・東日本は、文書を提出し「並行在来線をJRの経営から分離することに、関係する自治体の合意が得られている」として経営分離に固執したと報道。
 JR西日本の経営状況をみると、平成21年3月の連結決算では内部留保の一つである資本準備金は550億円。連結剰余金、資本準備金、退職給与引当金、長期債務引当金を合計した内部留保は8,944億円。
・・・・・昨年12月15日の国交省・整備新幹線問題検討会議「資料」は、「並行在来線等を運行する貨物鉄道ネットワークを維持する必要がある」「対策を検討する」。北陸本線の貨物列車は一日約40本、東北本線に並ぶ輸送量です。高速(時速90�)で大重量(コンテナ列車の総重量1,300�)の貨物列車が走る。東北・北海道と西日本の両地点を結ぶ貨物鉄道の日本海側ルートは、太平洋側を通るよりも3時間以上も短縮できるとされており、貨物列車の約9割、一日約7,500トンを輸送する、まさに、日本海側の貨物鉄道輸送の動脈。
 
○より便利、より安全で、快適な並行在来線のための基本原則を確立し、県境をつなぎ、暮らしと地域経済の発展に役割を発揮する鉄道に。北陸本線は、北陸地域の地域内交通の基幹鉄道。都市間輸送である北陸新幹線が開業しても、この役割を失うものではありません。県内と北陸地域の地域内交通が便利で活発であってこそ北陸新幹線の輸送量は確保され、地域経済の発展にもつながる。
  ・・・・・・より便利、より安全で、快適な並行在来線・北陸本線のための「10原則」。�電車を維持する。�複線・電化を維持する。�列車本数を増やす。JR線や私鉄との接続を便利にする。�運賃を高くしない。初乗り割高を解消する(欧州のように運輸連合によってゾーン運賃制導入などで運賃の統一を行うなど)。�駅のバリアフリー化と利便性の向上。駅員がいる駅、車掌がいる電車を運行する。�所要時間を短縮する。�安全を確保する。事故・災害に対応する国の制度・補助を確立する。�地元や地域の負担を軽減する。�経営基盤が強い経営主体をつくる。�駅とバス、コミュニティバスなど公共交通機関との接続が便利な運行にとりくむ。ことです。
 ・・・・・・特急が廃止されることで、特急停車駅のまちづくりも心配されます。北陸新幹線が金沢まで開業しても大阪まで開通しなくては未完の新幹線。利益の側面だけからサンダーバードなど特急を金沢止まりとするのでは、いまより不便になる。
 
○ 他県は、新幹線が確実にくるもとでの在来線・公共交通を守る運動に住民運動の主眼がおかれてきている。

   福井でも「新幹線反対」ときりはなすのではなく、夏の政治判断がどうなるのかはともかく、「地域住民の足を守るためにも、いまの新幹線計画には大きな問題があります」とのアプローチが大切。
 
 
2、具体的な問題点を明らかにする活動と運動の方向。2年前の党の政策と、最近の革新懇のとりくみ。

○時間短縮効果の疑問
    速達タイプで計算して、停車しない駅が多いダイヤを提示。東京・長野間を「のぞみ」以上のスピードで計算しており、現実性がうすい。

○ 東京に到達しないダイヤも。
    わたしたちの国土交通省交渉でも「混み合う時は、埼玉・大宮駅どまりのダイヤができる」との回答。さらに東京までは新幹線乗り換えで30分程度かかり、短縮効果が低下。

○ 在来線の利便性の低下、運賃値上げ。枝線は廃線のおそれもでてくる。
   県の試算でも、並行在来線の運行1キロ当たりの輸送密度は、石川県11000人、富山県8600人、福井は5100人。さらに4600人にまで減り、3セク経営が県単位だと危機に陥る。


○関西方面へのアクセスが悪くなる・・・・特急の削減
    この点は、経済界幹部も心配。しかし、経済界として、JRと協議しているわけではない。

○自治体財政に負担

○将来の新幹線利用人口はふえない
  15歳から64歳の生産年齢人口 2010 49万人   2020 43万人  2035 37万人。25年後には12万人も減る。
当面急がれるべきは、広域移動の高速交通網より、高齢化社会に対応した地域移動の交通体系の確立が急務。

○現行北陸線の改良で、さらなるスピードアップは可能。
  
○原発「もんじゅ」との取引などでの推進は、危険な原発推進という点でも、県民不在の新幹線推進・在来線きりすてにつながりかねないという点で県民への二重の背任。この方向に、自民も民主もオール与党で推進。
県民の将来に責任ある展望をしめしているのが日本共産党。


   ・・・・・・・・・だいたい以上のような内容でお話をさせてもらいました。
市民団体のみなさんの会合などで、「新幹線計画の問題点を話してほしい」という要望がでていますが、日程があえば伺います。お気軽にお問い合わせください。
メールは mmasao.sato@gmail.com さとう正雄 です。