monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

冬の恋

2011年12月07日 | 日本古典文学-和歌-冬

冬の日を春よりながくなすものは恋ひつつ暮らすこころなりけり(千載和歌集)

峯の雪みぎはのこほりふみわけて君にぞまどふ道はまどはず(源氏物語)

冬の夜のなみだのかかるむば玉の髪はこほりにむすぼほれつつ(加茂保憲女集)

閨(ねや)さむきねくたれ髪のながき夜になみだのこほりむすぼほれつつ(新勅撰和歌集)

ひとり寝て恋ひあかしつる今宵しもいとど降りつむ雪のわびしさ(天慶二年二月二十八日貫之歌合)

思ひ侘びかへす衣のたもとより散るやなみだのこほりなるらむ(後拾遺和歌集)

こころさへ空にみだれし雪もよにひとりさえつる片敷きのそで(源氏物語)

いかにせむ片敷きわぶる冬の夜のとくるまもなき袖のこほりを

涙せく袖のこほりをかさねても夜半のちぎりはむすびかねつつ(続拾遺和歌集)

かたしきの袖ゆく水のうすごほり思ひくだけていく夜ねぬらん(新続古今和歌集)

(2009年12月30日の「冬の恋」の記事は削除しました。)


冬の有明月

2011年11月26日 | 日本古典文学-和歌-冬

志賀の浦やとほざかりゆく波まよりこほりていづ るありあけの月(新古今和歌集)

笹の葉のさやぐ霜夜の山かぜに空さへこほる有明の月(続拾遺和歌集)

さゆる夜の雪げのそらのむら雲をこほりてつたふ有明の月(新拾遺和歌集)

山の端(は)はそれとも見えず埋もれて雪にかたぶく有明の月(続拾遺和歌集)

さえこほるあらしの風を身にしめてひとりぞ見つるありあけの月(宝治百首)

さびしさは色もひかりもふけ果てて枯れ野の霜にありあけの月(新続古今和歌集)

ながき夜のねざめの涙ほしやらで袖よりこほる有明の月(新拾遺和歌集)

(2009年12月4日の「冬の有明月」の記事は削除しました。)


賀茂臨時祭

2011年11月25日 | 日本古典文学-和歌-冬

あしひきの山ゐに摺(す)れる衣(ころも)をば神につかふるしるしとぞ思ふ(拾遺和歌集)

月さゆるみたらし川にかげ見えて氷に摺れる山藍(やまあゐ)の袖(新古今和歌集)

うちはらふ衣(ころも)の雪の消えがてにみだれて見ゆる山あゐの袖(続後撰和歌集)

はらはでもかへりたちなむ小忌衣(をみごろも)神のめぐみにかかる白雪(新千載和歌集)


冬の月

2011年11月24日 | 日本古典文学-和歌-冬

秋とのみいかなる人かいひそめし月は冬こそ見るべかりけれ(内裏歌合_永承四年十一月九日)

冬枯れの木の葉さはらぬ高嶺よりこほりていづる月ぞまぢかき(持明院殿御歌合)

霜ふかき夜半にや空もさえぬらむかげまでこほる山の端の月(宝治百首)

あまの原そらさへ冴えやわたるらむこほると見ゆる冬の夜の月(拾遺和歌集)

冬がれの森のくち葉の霜のうへにおちたる月のかげのさむけさ(新古今和歌集)

ゆく水の浅瀬こほれる長き夜にむすぼほれたる冬の夜の月(夫木抄)

底まではやどるとも見ず山川のこほりのうへをみがく月影(新後拾遺和歌集)

夜をかさねむすぶ氷のしたにさへこころ深くもすめる月かな(千載和歌集)

空よりもかげやさゆらむ池みづの氷にやどる冬の夜の月(新後拾遺和歌集)

さゆる夜の霜をかさねて袖のうへにやどればこほる月のかげかな(新拾遺和歌集)

(2009年12月3日の「冬の月」の記事は削除しました。)


冬の海辺

2011年11月09日 | 日本古典文学-和歌-冬

冬枯れの尾花おしなみ降る雪に入り江もこほる真野の浦風(続千載和歌集)

難波江やあまの衣(ころも)のうら風に枯れたる葦のおとぞさびしき(続後拾遺和歌集)

明石潟須磨もひとつに空さえて月に千鳥も浦づたふなり(正治二年初度百首)

みなと江や葦の枯れ葉に風さえて霜夜の月に千鳥なくなり(新拾遺和歌集)

霜枯れの葦まの風はよさむにてこほりによわる浪の音かな(続千載和歌集)

風さえて寄すればやがてこほりつつかへる波なき志賀の唐崎(新勅撰和歌集)

雪ふればわかの松原うづもれてしほひにたづ の声ぞ寒けき(新続古今和歌集)

(2009年12月30日の「冬の海辺」の記事は削除しました。)