ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

本・権丈英子『ちょっと気になる「働き方」の話』

2020-02-27 04:14:09 | Public
3日前、三女が一歳になり、そろそろ勉強しなければという焦りが。出産から一年が経ったということ。一番に思い浮かんだことは、「労働系の本をひと通り読もう」ということ。手元で少しだけ読み進めていたこの本を手始めに。平日のお酒もやめることにしました。

オランダの労働政策が専門の英子先生。先生が、パートタイム労働を中心とした、労働時間を柔軟に、その他賃金や昇給などで不利益を被らない形で選ぶことのできる労働社会を理想として描かれていることがにじみ出ている。その思想の上で、日本の労働行政、とくにパートタイム労働をめぐる政策について俯瞰したり、分析したりした文章が並ぶ。社会保険関係は少しは詳しいつもりでいたけど、「パートタイム労働法」関連は、聞いたことがある程度で、内容にも興味を持ったことがなかった。思想的にも実務的にも、重要になりそうだと思った。その他、印象に残った点をいくつか。

・日本でいう「同一労働同一賃金」は、その実、日本では「均等・均衡待遇」と言われていたもので、ヨーロッパでいわれる「同一労働同一賃金」とは違う
→これ、前から疑問でした!国会とかでよく「同一労働~」とか言い出していたけど、産別賃金になっていない日本でどういうこと?と。正規⇔非正規労働者間での均等・均衡待遇を目指す、ということならよくわかります

・「パートタイム労働」はヨーロッパでも増えている
正規・フルタイムに比べて労働時間が短い、という意味で(賃金率が低いとは限らない)パートタイム労働は日本だけで増えているのではなく、ヨーロッパでも増えているという話

・日本の「フルタイム・パート」(フルタイムだけど非正規)という人は、労働者割合として男性10%、女性13%。短時間正規労働者(パートタイムだけど正規)という人は男性0.6%、女性1.8%。
女性は、育休取得後の人などがこの短時間正規、で働いているのだと思うが、思ったより少ない。私のように、この会社では育休を取っていないけれど、転職時から6時間勤務の正規で雇ってもらっているのはかなりレアと言えるのだなあ。

・パートタイム労働者の条件をよくする動きの狙いとして「パートタイム労働者のモラール向上、定着率の上昇」」がある
確かに、働くことへの責任感は違う、という意味での「モラール向上」かな?

・エンプロイアビリティ(employability:雇用されうる能力)
オランダでは、職業訓練の促進に対する税制優遇や、職業経験を認定する制度(?)などでこれを高める政策がとられたそうな

・オランダも、「連続する契約が3回以上、もしくは連続する契約の合計の機関が3年以上であれば常用雇用となる」という法律がある。日本で「5年で無期転換」となる労働契約法改正がされたことのモデルがここにあるようです

・オランダでは、「使用者にとってフレックス雇用者の活用が正規雇用者に比べて割高にさせる必要がある」という考えでの法改正が近年あったそう

★「使用者と労働者の間には交渉上の地歩(bargaining position)のアンバランスがあり、労働市場が有効に機能するためには、最低生活を保障する枠組みが重要である」→最低賃金制度や、オランダがパートタイム労働の条件向上に力を入れてきた根本的な意味はここにあるのだ、と整理されてスッキリ!!このことで立ち行かない企業が出てくれば、それは非生産的な仕組みの企業なので、市場から退出するのは仕方がない、という話

★正規/非正規、フルタイム/パートタイム・・・など単語の整理として
「典型労働者」/「非典型労働者」
「典型労働者」とは
①フルタイム②期間の定めのない雇用③直接雇用
の条件を満たす人
①を満たさない→パートタイム労働者
②を満たさない→有期雇用
③を満たさない→派遣労働など
となる。
日本の特殊性は、①を満たさないパートタイム労働者、の中に、低賃金率の「非正規」と、短時間正社員という「正規」があり、前者がほとんどであること、である

※参考
「パートタイム・有期雇用労働法」施行について

インフルエンザによる休職中に考えたこと

2020-01-20 10:07:00 | Public
先週火曜日よりインフルエンザA型になり、水曜日から土曜日が外出禁止に。
相談者さんの枠をもらってする仕事は、最低限、相談者さんへのリスケ作業があり辛い。
今回の病欠中に考えたこと。まず「大人は仕事の見通しが立たないことにはゆっくり寝ていることなど難しい」ということ。
それと

・私が担当する相談者さん、ほかの相談員ではまったく代替できないというのはおかしい
・メールアドレスを共通化するのもアリ
・週明けの勉強会の資料作りが間に合わないので誰か代わってくれませんか、とグループLINEに乗せたものの反応が皆無だったことは絶対忘れまい
・そんなお願いも聞けないほどみな業務が逼迫しているのなら、よくない
・どうしても業務が間に合わないから金曜日にパソコンと資料を取りに10分職場に顔を出したのだが、同僚の子は顔もあげてくれなかったことは心が痛かった
・彼女が自分をコミュ障だという所以かもしれないが、こういうことは「特性」とはなかなか割り切れない

あとは体力不足体力不足体力不足。

2020年1月の滑り出し

2020-01-11 04:37:00 | Public
ことしももう、一月の三連休。正月休みが9日もあったので、さすがに仕事のことをすっかり忘れられたのは良かったが、仕事の滑り出しはなかなか苦労した1週間でした。子どもでも、職場の同僚でもそうだけど、さまざまな特性を理解して大らかに、個別的に関わるには、自分自身のこころの余裕が必要。

最近、ブログを書く頻度が落ちていたのもまさにそれだなぁ。今年の方針もまだ立てられずにいますが、ひとまずソーシャルワーカーのための研究ガイドブックという本を買いました。3千円!
これと、遠藤周作の沈黙を読んで、考える予定です。

ことしもよろしくお願いします。


『生きがいについて』

2020-01-05 04:59:52 | Public
2019年の手帳にメモをしていた、神谷美恵子『生きがいについて」の一節を。
ーーー
使命感・・・自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力を注いで歩いている人

生きがいは、ひとがその中でのびのびと生きていけるような、そのひと独自の心の世界をつくる。貝殻が自分の体からの分泌物でさまざまな形、色、図柄の貝をこしらえるように、人間もそれぞれ自分のまわりに、自分がその中でのびのびと休めるような、身に合った心の世界をつくり出すのである。
その中で、何が価値があるか、何が優先すべきか、ということがはっきりしているとき、そこには統一があり、秩序があり、調和がある。

身体的苦痛がおこったために、かえって精神的な苦痛が軽減されたり消失したりすることもある。

精神的苦悩は、他人に打ち明けることによって軽くなる。・・・しかし何よりも、苦しみの感情を概念化し、ことばの形にして表出するということが、苦悩と自己の間に距離をつくるからではないだろうか。

ーーー
2019年は半年以上が産休と育休、就活で、仕事をしておらず、福祉のマネジメントの方面に進むのか、現場の仕事を深堀していくのか、悩んでいたっけ。結局後者を選んで、というより縁があって、現場で、生きづらさを抱える人と話したり歩いたり、一緒に仕事探しをしたり、ということをしている。直に人の心理に向き合う仕事だからこそ、また思い出して意味深さを感じるなあ。

ふたりの時間を充実させる責任

2019-12-11 06:27:44 | Public
仕事が忙しい。

伊勢では、イメージとしては居場所の運営で、何も起きない日もあれば起きる日もあるけど、来られる方を見ながら受け身でいられる時間も長かった。利用者さんと一緒に歌ったり編み物をしたりするのがわたしにとっても癒しだった。

今は、時間を決めて、1時間や2時間の単位で向き合う。相手のペースを尊重しつつ、その時間の舵取りを担う。受け身ではいられない。待ち合わせ場所に来てくれたことに敬意を表して、一緒の時間は、どちらかというと私が責任持って運営したい。…と書いていて感じだが、理想としては、お互いにその時間を充実させる責任がある。ただ、こちらはお金をもらってプロとしてやっているので、やっぱり任は重いと言えると思う。

その時間を、相談者さんからしても、積極的に充実させたい、と思えるまでの関係づくりや手助けが、まず大切なんだな。これを、第一段階の課題にしてもいいな。

職場に行って、その日のスケジュールが始まると、セカセカパツパツしてしまうことが多いので、その前の、朝のひとり時間もなかなかリラックス出来ない時がある(今のこと)。
仕事の楽しい部分も、ちゃんと振り返って噛み締められるとよい。

一年半ぶり

2019-11-15 05:42:37 | Public
秋の夜長、ならぬ夜更け。相変わらず4時起き生活なのだが、今日は観たい録画テレビもなく、裁縫の気分でも読書でもなく。こういう貴重なひとり時間に、全力でこれやりたい!ってならないのはどうなのか、などと落ち込みそうになったので、友達に手紙を書き始めた。そしてら内容のない日記みたいになってきたので、それならブログにしよう、と思い立ったところ。
でももうすぐ6時だし、今朝は早く出ないといけないんだよなぁ、うーむ。この思考回路のまとまりのなさ、もしかすると、一年半ぶりの生理のせいかもしれない。産後8ヶ月での再開となりました。久しぶりだからか、少ししんどいなぁ。
またピルも飲み始めたい。名古屋で婦人科を探さないと。婦人科、自宅インターネット、長女のダンス教室。探さないとな。こまごましたこと、やる気になれない。
突然、今更だけど、今年2月までの10ヶ月、妊婦をよく頑張った!と自分に言いたい気持ちになった。生理中の今のような、感情や感覚の不安定さがずっと続いていたのだもの。これ、仕事なしには過ごせなかったと思う。
そして、ありがたいことに?今日も仕事。映画が観たいなぁ?

「どの選択肢も同じ重みで尊重してくれる安心感が大事」

2019-10-10 04:59:45 | Public
職場の研修で、元ひきこもりだった人で今は居場所事業をやっている方の話を聞いた。ひきこもりをネタに、自分の経験や居場所に集まる子ども・若者の気持ちを語る。

10代後半でひきこもっていたとき、「本当の意味でどの選択肢も肯定してもらえる、という保証がなければ何も答えられないし、一歩も動けない」と言っていた。

「学校に行かない」→「いいね!」
「学校に行く」→「いいね!」
「行きたいときと行きたくないときがある」→「いいね!」
「どうしたいかわからない」→「よく言えたね!」

ひきこもってしまう子は、「親や周りはこうしてほしいんだろうな」と読み取り、「自分はこうしたい」ということを考えずに来た子どもが多い印象だ、と言う。他者評価を気にしてばかりきて、つまずいてしまうと、急に「じゃあどうしよう」とは動けない。自分の意思がない。自信が持てない。怖い。

その選択肢も、同じ重みで受け止めてくれる場所。安心感。安全感。
親が子に対して、常にこの姿勢でいるのは、正直難しいと感じる。「ごはん食べても食べなくても、どちらも尊重する」とはちょっと言えない。もちろん、こんな日常の選択で、常に尊重しろということではないと思うけど。でも、子どもにとってはこの日常の積み重ねなのかもしれないと思いつつ。

なので、お金をもらって働くプロの支援者ぐらいは、この安全感を持って、子どもや若者に接したいと思う。本当に、どんな選択も尊重するよ。
できれば、自分の子どもにも、こういう気持ちで、この気持ちが伝わるように接したい。できれば。

子育てを始めた友人たちへ

2019-10-10 04:39:48 | Public
子育てを始めた友人たちへ

今はまだ、両手にすっぽり収まるくらいのおちびちゃんたち。
水をやって空に伸びる朝顔みたいに、ぐんぐん大きくなるよ。

あなたの家でも、ごみ箱が蓋つきのものに変わったり、
テレビのリモコンやペン、眼鏡、ハサミなどがテーブルから消えて、棚にしまわれたり、
食卓から辛い物がなくなり、甘いカレー、甘い麻婆豆腐になったり、
窓ガラスには常にたくさんの手あかがついていたり、
するようになるんだろうね。

もう少し大きくなると、家じゅうにお絵かきや工作物が置かれたり、
飴やお菓子がボックスの中にしまわれ、それが高い戸棚に置かれたりして、
子どもの視界に何が映るかを気にするようになると思うよ。

主に、その視界から、私にとってのトラブルメーカーを取り除こうという意図で。
でも、その視界に、なるべく素敵なものを置いてあげたいよね。
一生懸命書いた絵、お友達と写っている写真、沖縄旅行のおみやげのシーサー。

30代後半まで仕事生活を謳歌していたあなたたちが、
子育て事業を少し早めに始めていた私の領域に入ってきてくれたことは、
「子育て業をしてきた私」を知ってもらうみたいでうれしい気持ち。
同業者として、よろしくね。

9月の家計簿

2019-10-07 04:34:39 | Public
9月はよく遊び、よく買い物した。

支出合計46万円
特別な支出を差し引くと 28万円

内訳
・特別な支出(2段ベッド10万円、ミラーレスカメラ8万7000円) 計18万3000円
・食費 5万5000円
・外食費 1万円
・日用品 4万5000円
・家賃・駐車場第 5万1000円
・保育料 4万4000えん
・レジャー 4万5000円(神奈川でBBQとバンガロー泊)
・交通費 2万5000円

神奈川でのアウトドアレジャーと千葉への帰省は年間イベントなのでよいとして、日用品費が高い。まだ引っ越しが落ち着いていないということか。ベランダの植物を、2000円のシマネトリコと、そのための鉢やら土やら買ったのはあるな。

買い物したくない気持ちと、買わないとどうしようもない!どこかで買うんだから!と決断してしまう気持ち。そのほかの基準がないと、えいやってことになっちゃう。来月から保育料無償化はありがたい。ありがたい、が、無償化には反対です。