★★★
「偶然」と同じ監督、キェロフスキの映画。1984年。
若手弁護士のアンテクは心臓発作で突然に死者となる。さまよう魂は、残した妻、息子を見守る。彼が弁護するはずだったスト指導者、その妻、後任を引き受けた弁護士の姿は、嘆く自由も無いポーランド―――NO END―――を映し出していく。
一人の人生を追いながら、その人の周りを映し出し、環境、体制を表し、国や時代を批判する。これがこの監督のやり方らしい。ただ、このタイトルがなければ私にはわかりにくいメッセージだった。ただ、この暗さは何だろう。自由が無いというのは、何が無いことなのだろう。「嘆く自由も無い」息苦しさ―――ストによって本当に彼らは労働条件を変えたかったのかはわからない。ただ、何かしたかった。現状を変えうる行動があるとしたら、それをためしてみたかった。それだけだったという印象が残った。ロシア、東欧諸国で自殺率が高いのは、そいういうところに根っこがあるのかもしれない。そういえば、貧困の国で自殺率については聞かない(もちろん統計上の問題はあるが。)人が、人生を諦めるとき、何が決定打となるのか。そんなことを考えさせられた。
「偶然」と同じ監督、キェロフスキの映画。1984年。
若手弁護士のアンテクは心臓発作で突然に死者となる。さまよう魂は、残した妻、息子を見守る。彼が弁護するはずだったスト指導者、その妻、後任を引き受けた弁護士の姿は、嘆く自由も無いポーランド―――NO END―――を映し出していく。
一人の人生を追いながら、その人の周りを映し出し、環境、体制を表し、国や時代を批判する。これがこの監督のやり方らしい。ただ、このタイトルがなければ私にはわかりにくいメッセージだった。ただ、この暗さは何だろう。自由が無いというのは、何が無いことなのだろう。「嘆く自由も無い」息苦しさ―――ストによって本当に彼らは労働条件を変えたかったのかはわからない。ただ、何かしたかった。現状を変えうる行動があるとしたら、それをためしてみたかった。それだけだったという印象が残った。ロシア、東欧諸国で自殺率が高いのは、そいういうところに根っこがあるのかもしれない。そういえば、貧困の国で自殺率については聞かない(もちろん統計上の問題はあるが。)人が、人生を諦めるとき、何が決定打となるのか。そんなことを考えさせられた。