(第1章ほど面白い内容はないと思いましたが・・・)
第2章はアメリカ史の中で
「経済成長は社会のモラル改善に寄与する」という仮説を考える。
具体的には、南北戦争後の時期を成長期と停滞期に分け、
制度の変化や社会情勢を数字や小説の傾向などで見ていき、
モラル改善の兆候を現す。
分けられた時期は、
1865-80年 南北戦争後、好景気
機械工学や鉄鋼業が発達し始め、鉄道の大事業が手がけれられる
KKKは取り締まられ、1875年には人種差別を禁じる公民権法が成立。
1880-95年 不景気
オーストラリアなどで耕作面積が増え、農業価格がどんどん下がって
不景気に。1人あたり所得は15年前の水準になった。
公民権法が定着すべきこの大事な時期に、南部では、南北戦争後にも
駐留していた軍が撤収。人種差別が大いに広がった。
ドイツをはじめとして制度化され始めた公的社会保険はアメリカには
導入されず、移民制限が強化された。
1895-1919年 好景気、wwwⅠ
車産業が本格的に広がり、人々の所得も上がった。
黒人は白人と同じ電車やバスに乗ってはいけない、というような
人種ゾーニングは違憲と判断された。
移民制限は緩和され、アメリカは「移民のアメリカ化」へと
方針転換する。義務教育の中学生に対するカリキュラムが初めて制定されるなど。
1920-28 wwwⅠ後の不景気
第二次KKK旋風。
1929-39 大恐慌、ニューディール
不景気だけども社会は改善された、アメリカ史上「大いなる例外」。
なぜそうなったのか・・・
ローズベルト大統領の性格、リーダーシップ、大恐慌があまりにも
広範囲に影響し、誰も勝者がいなかったこと、など。
(同じような例外として、チャーチル時代のイギリスを上げている)
戦後ー1960年代 好景気
ジョンソン大統領のころ、ようやく社会保険も整備
1970-93 停滞
93- ・・・・
要は、アメリカの各時期において、好景気であれば社会制度は充実し、
開放性は増したが、停滞の時期においては移民は制限され、しばしば
KKK(クー・クラックス・クラン:反カトリック、反ユダヤ、反移民)
の若者らが暴徒化した。
そのプロセスとして印象的だったのは、
好景気にあった1900年代、
wwwⅠの軍需による経済成長の中で、人々は民間団体の設立、活動により
社会へのかかわりを始めた。ボーイスカウトや女性クラブ総連など。
それまでの地域の教会といったコミュニティーの代表に頼るのではなく、
団体で主体的に活動し、また経済成長はそれらの活動資金を得やすくした。
これが、制度の拡充などに寄与し、再分配政策も成立させた。
それより前の時期からしばしば提案されていた増税案も、この時期にようやく
実現した。
社会モラル悪化のひとつとして、その後の1920年代はおもしろい。
この時期は、大統領(ウォーレン・ハーディング)さえ、KKKを支持していた
と書いてあるほど、白人至上主義的なムードだった。
この時期の特徴は、都市化である。田舎でのんびり農業をやっていた人たちが
都市に出てきて、社会の最底辺ではなく、「最下層のホワイトカラー」となる。
初めて、黒人と同じコミュニティで暮らし、教義上熱心に仕事をするカトリック
信者らを目にして、敵対心を抱き、KKKは増徴されていったという解説だ。
とにかく、およそ400ページを裂いて(日本語版でも第3章があり、
原著はもう何章か多いらしい)彼の仮説は実証された、らしい。
長く込み入った歴史の解説書を読み続けるには、上記のような問いが
あるのはひとつ有効な手段だろう。途中で問いには興味がなくなったものの、
読み続けることが出来たのは、この類の本が久しぶりだったからかもしれない。
第2章はアメリカ史の中で
「経済成長は社会のモラル改善に寄与する」という仮説を考える。
具体的には、南北戦争後の時期を成長期と停滞期に分け、
制度の変化や社会情勢を数字や小説の傾向などで見ていき、
モラル改善の兆候を現す。
分けられた時期は、
1865-80年 南北戦争後、好景気
機械工学や鉄鋼業が発達し始め、鉄道の大事業が手がけれられる
KKKは取り締まられ、1875年には人種差別を禁じる公民権法が成立。
1880-95年 不景気
オーストラリアなどで耕作面積が増え、農業価格がどんどん下がって
不景気に。1人あたり所得は15年前の水準になった。
公民権法が定着すべきこの大事な時期に、南部では、南北戦争後にも
駐留していた軍が撤収。人種差別が大いに広がった。
ドイツをはじめとして制度化され始めた公的社会保険はアメリカには
導入されず、移民制限が強化された。
1895-1919年 好景気、wwwⅠ
車産業が本格的に広がり、人々の所得も上がった。
黒人は白人と同じ電車やバスに乗ってはいけない、というような
人種ゾーニングは違憲と判断された。
移民制限は緩和され、アメリカは「移民のアメリカ化」へと
方針転換する。義務教育の中学生に対するカリキュラムが初めて制定されるなど。
1920-28 wwwⅠ後の不景気
第二次KKK旋風。
1929-39 大恐慌、ニューディール
不景気だけども社会は改善された、アメリカ史上「大いなる例外」。
なぜそうなったのか・・・
ローズベルト大統領の性格、リーダーシップ、大恐慌があまりにも
広範囲に影響し、誰も勝者がいなかったこと、など。
(同じような例外として、チャーチル時代のイギリスを上げている)
戦後ー1960年代 好景気
ジョンソン大統領のころ、ようやく社会保険も整備
1970-93 停滞
93- ・・・・
要は、アメリカの各時期において、好景気であれば社会制度は充実し、
開放性は増したが、停滞の時期においては移民は制限され、しばしば
KKK(クー・クラックス・クラン:反カトリック、反ユダヤ、反移民)
の若者らが暴徒化した。
そのプロセスとして印象的だったのは、
好景気にあった1900年代、
wwwⅠの軍需による経済成長の中で、人々は民間団体の設立、活動により
社会へのかかわりを始めた。ボーイスカウトや女性クラブ総連など。
それまでの地域の教会といったコミュニティーの代表に頼るのではなく、
団体で主体的に活動し、また経済成長はそれらの活動資金を得やすくした。
これが、制度の拡充などに寄与し、再分配政策も成立させた。
それより前の時期からしばしば提案されていた増税案も、この時期にようやく
実現した。
社会モラル悪化のひとつとして、その後の1920年代はおもしろい。
この時期は、大統領(ウォーレン・ハーディング)さえ、KKKを支持していた
と書いてあるほど、白人至上主義的なムードだった。
この時期の特徴は、都市化である。田舎でのんびり農業をやっていた人たちが
都市に出てきて、社会の最底辺ではなく、「最下層のホワイトカラー」となる。
初めて、黒人と同じコミュニティで暮らし、教義上熱心に仕事をするカトリック
信者らを目にして、敵対心を抱き、KKKは増徴されていったという解説だ。
とにかく、およそ400ページを裂いて(日本語版でも第3章があり、
原著はもう何章か多いらしい)彼の仮説は実証された、らしい。
長く込み入った歴史の解説書を読み続けるには、上記のような問いが
あるのはひとつ有効な手段だろう。途中で問いには興味がなくなったものの、
読み続けることが出来たのは、この類の本が久しぶりだったからかもしれない。