現在までに、米軍によって逮捕・拘束された人は
8万3千人。
ほとんどが現地兵(米軍によって訓練されたアフガン軍、イラク軍)によって拘束され、米軍に引き渡されている。
キューバのグアンタナモ基地での発覚前から
アフガンの基地で行われたアブグレイブ収容所などでも
組織的に行われていた。
今夜のBSドキュメンタリーでは、
その映像、写真、証言が集められ、
ブッシュ政権下による虐待の正当化のプロセスが描かれた。
法務相リー・ウーの言葉が、私に『二つの祖国』を思い出させた。
「9.11のテロ事件以降、この問題は「犯罪」でなく、「戦争」になった。」
そして彼は、「人権」や「虐待」の拡大解釈を許す報告書を提出し、
アメリカ国内で、それが犯罪として糾弾されない素地を作った。
戦争は、犯罪行為を正当化できる唯一のスペースだ、と
暗に意味していると思った。
そして戦争が終わると、敗者のみ、その犯罪性が問われる。
この番組は、「BS特集 33か国共同制作 民主主義 ~~世界10人の監督が描く10の疑問~」http://www.nhk.or.jp/bs/bs1.html#korekara
のシリーズ、トップバッターで放映された作品である。
なぜ非道な虐待が、民主主義国家で起こったのか?
を監督は問いかけているはずであるが、ストレートな答えは明らかにしていない。
私なりに考えてみたんだけど、書き始めて混乱したので中断。
戦争は、非常にくだらないサイクルをいくつも生み出しているという確信だけは深まった。
「容疑」者を多く獲得するためのアフガン軍(米軍によって訓練されたアフガン人による軍)が、疑わしきアフガン人を見つけて米軍に引き渡す。現金と引き換えに。
「容疑」が長期間の拘束のうちに晴れて帰ってくるアフガン人。彼らは「あんな非道な拘束を受ければ、テロリストでなくてもテロリストになりたくなる。」と言う。
何も答えらしい答えが、番組を見ていて引き出せなかったのが悔しい。が、戦争は、悲惨で、くだらない。
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