亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

約4年ぶりに、節目を突破

2006年04月08日 21時24分02秒 | 金融市場の話題
米雇用統計は、発表前の複数名の地区連銀総裁のスピーチやブッシュ政権経済チームの強気見通しから、数値自体は市場予想よりは高めに出るのだろうと思っていたら、その通り高めの結果だった。3月の雇用の増加は21万3千人。対して市場予想は19万人台。失業率も4.7%に低下したことから、景気も堅調からやや熱を帯びつつあるとの見方に転じた市場では、「利上げ継続」見通しから債券が売られた。すなわち金利は上昇し長期金利(指標となっている10年国債の金利)は4.96%に跳ね上がった。

昨夜のNY市場は、雇用統計の結果よりもこの債券市場の反応がポイントだろう。

そもそも債券市場関係者の多くは、このところ上昇気味の長期金利ではあるものの、それでも4.9%は超えないだろうと見ていた。それが一気に5%に迫るところまできた。2002年6月11日以来の水準とネット版のウォール・ストリート・ジャーナルは伝えているが、さて、いよいよ“政策金利を引き上げても、引き上げても低位安定していた米長期金利”という構図は崩れるのか。そうなると引締め効果が景気面に現れるということになってくる。言うまでもなく、金利急騰を嫌気して売られたダウやナスダックなど株式市場はそれを恐れてのもの。

もともと600ドル大台達成のなかで売りものが出やすい金市場には、さらに売りが加わっても不思議はないということ。もっとも、「売り」といっても利益確定の売りであって、下げで利益を上げようという空売り(ショート)は少ない。金利差の維持、あるいは拡大を材料にしたドル買いがあったとされるが、仮に長期金利が急騰するのであれば、景気にはマイナス要因となるので強材料とも言っていられなくなる。いずれにしても来週は、この債券市場(金利)の動向が、関心事になること必定。

本日の東京は(全国的に?)日が出て春の陽気、、、かと思いきや、急に気温が下がり、突風、にわか雨、また春の日差し、また小雨と不安定な気候。その中での桜吹雪に近くの川面は花びらで埋め尽くされていた・・。

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2 コメント

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ちょっと残念 (いつも拝見しております)
2006-04-09 09:38:53
お疲れ様です。



株安・債券安・商品高の好循環もここまででしたか。

金曜の雇用統計で踏み上げ期待もしていたのですが残念です。



それにしても、FRBによる前回のコメントは少しばかり思慮に欠けていたのではと思います。

確かに5%に対する一種の打ち止め感が市場では濃厚だったと感じていました。

少なくとも5%のせてもあと一・二回で様子見するスタンスに切り替えるものと思っていました。



一応、そのような発表をしながら市場の反応を見ながら対応していたのが前議長だったように思えます。

そして、グリーンスパン語録集にはよくわからない表現がたびたび出てきましたが、そのわかりにくさが懐かしくも感じます。

またそのわかりにくさが市場関係者に受け入れられていた不思議な魅力がありました。





現議長も前議長と同じように就任直後の危機に直面するのでしょうかねぇ・・・?



日経にも米個人負債の話が出てましたが、GM社債や米国債も条件は似たり寄ったりだと思います。



GMだけでなく、たびたび問題視されているファニーメイやフレディマックの話が再び急浮上するようだったらかなり危ないと思います。

個人住宅ローンに傾きすぎた資産内容の問題からまだ時間を経てはいませんからね。大事になれば米国債への玉突きが心配です。

米政府は彼らとは関係ないと事あるごとに言っていますけど・・・
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円キャリー解消とバブル (いつも拝見しております)
2006-04-10 13:26:50
お疲れ様です。



キャリーポジションの解消による日本市場バブル現象なんて噂がチラホラ聞かれます。

確かに売った円を買い戻してどうするかという話もあります。

真偽のほどはともかくとして・・・



ただ、状況は悪くありませんね。
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