亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

水(カネ)が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる

2018年07月24日 23時13分30秒 | 金融市場の話題
来週の30、31日開催予定の日銀の金融政策決定会合。今回の会合で長期金利の操作に柔軟性を持たせる、すなわち将来の正常化に向けた意思表示をするのではとの一部報道で、日銀が牛耳っている国内債券市場に動きがあった。

長期金利は上昇と見る動きが活発化、国債は売られ金利は上昇。これに対し日銀は、「無制限の買い取り」スタンスで指値(0.11%の利回り水準)を入れ“金利上昇阻止”の徹底抗戦の構えを見せた。目先の政策変更ナシを身を挺して示したもの。

足元の国内債券市場では日銀に刃向える投資家はなく、もちろん威力を発揮。為替相場を含む週明け早々の波乱は急速に沈静化した。

この日本発の長期金利の上昇は、いわゆる“バタフライ・イフェクト”、風が吹けば桶屋が儲かる的な動きで、すでに出口に向けて動き出している欧米債券市場を刺激することになった。ドイツの10年国債は先週末の0.3%台から0.4%台に、米10年国債も2.8%台から6月末以来の2.95台、2.957%に上昇。欧州では、ECBが既に12月で量的緩和策の終了メドを決めており、FRBは現実に保有債券を減らしているところでもある。日々の流れの中で、ともすれば忘れてしまう現実、つまり、“水(カネ)”は引き始めていることを、周回遅れ以上の日銀の出口への思惑が、思い起こさせたということか。

水(カネ)が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる・・・とは、オマハの賢人、ウォーレン・バフェット翁の言葉。

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