亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

サブプライム・ローン

2007年03月14日 23時24分11秒 | 金融市場の話題
一度ひびが入り修復に向かっていた株式市場に下げの第2波が到来。週初めから資金難の噂がたっていた米住宅ローン大手ニューセンチュリー・フィナンシャルをNY証取がいきなり上場廃止に。日興コーディアル廃止見送りに驚いた国の投資家にとって彼の地のやりかたはスピーディで容赦ないね。これで約1ヵ月前にHSBCによる105億ドル(約1兆3千億円)もの貸倒引当金の大幅積み増し表明で楽観論に水をさされた米国での高金利住宅(サブプライム)ローンの不良債権化問題は、次のステップに入っていることが明らかになってきた。米住宅バブル問題は、決定的なダメージを金融市場にはもたらさないと金融当局者がこれまで再三にわたり公言してきたが、今週バーナンキFRB議長がファニーメイ(連邦住宅抵当公社)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)という2大住宅公社の近年の業務急拡大に対し連鎖破綻のリスクを指摘したばかりだった。住宅建設から金融部門まで幅広く売られ全体に波及したが、ひびが入ったばかりの株式市場は世界的に完全に立ち直っておらず、再び同時株安の様相。株の手仕舞いに合わせ、先の連想から原油売り、金売りが見られている。

今夜もいろいろあって更新が遅れました。為替については、圧倒的円安見通しに国内が大きく傾いていたので、それが先の同時株安に炙り出されて急落したので、セオリーとしては自立反発だろうと。その際の戻りは119円程度でいっぱいではないかと。実際には相場のことは相場に聞けということで、どこまで戻れるかを見て、次のパターンは反落(もちろんドルの反落)という一般的な捉え方だった。シカゴ商業取引所(CME)の国際通貨取引での円売りポジションはさすがに過去最高規模からは急減したものの、実際に引っ張っている資金の実態は推測の域をでないものの、本日の日経が取り上げていたように10兆円台というものだろう。一時はドル安円高に持っていかれても我慢すればまた円安に戻るというここまでの経験則に則った見方が、いやこれは戻らないのでは・・・という状況に至り、投げを誘発するような事態(総崩れ)にいずれなるのではないかと思っている。足元で115円台を見たドル円はまた116円ミドルに戻している。

話をサブプライム・ローンに戻すと。旨みのある個人部門への貸し込み合戦の結果が、今日の延滞率の上昇だし、IO(インタレスト・オンリー)などという当初3年や5年は金利のみの返済でOKなどというローンが広がっていたのは、値上がりを前提にした借り入れあるいは貸し出しが一般的であったということ。それが思うように上がらないとなると、破綻者はさらに増える。

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8 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-03-15 01:21:21
アメリカは日本の不動産バブルと金融危機を、見習わない姿勢だったのでしょうか?





リスクある人達に過剰に融資して、結局、焦げ付き、金融危機を招く……





アメリカの場合は、不動産の値上がり益まで担保に融資を受けて、投資をしたり、消費をする。





ところで、昔は、株式暴落で、金が値上がりしたのに、今は株式と連動するのですね。





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ゴールドETF (ぱろ)
2007-03-15 17:53:50
近々日本でも上場するでしょうが商品規格は米国と同じで単に日本でも買えるという解釈でいいんですよね?だとするとNYの金庫に台車に乗った金塊が右から左、左から右へ移動するだけで世界の金は万が一のことがあれば(ないだろうけど・・)全部米国がロック出来るということですね・・何がどうなろうが世界の番人、米国に抜かりはないのだと実感しています。昔あった何とか合意とかなんとかショックなるもので金価格を10倍とか20倍くらいにしてはくれればいいのですが・・・笑
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独り言 (yuga)
2007-03-15 19:59:00
今日は我慢で1日過ごしました、終わり方が気に入らなかった事と今夜のNYCで決めようと思ってたので、、でも今上げてるんですよね、、私は嘘でしょ?なんて思いです(苦笑)皆さんはどのように今日の相場を見てました?多分上げを買った人は終わり方で不安を感じ、下げを買った人は正解なんて思ってると思うのですが(全く逆だったりして、笑)さて今夜のNYCどうなるでしょう???
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ふたり言 (こがねむし)
2007-03-15 21:06:23
私は昨日の終わり方のほうが気になりました。
先物がS安から3円上げて引けたんで珍しいなと思いました。
私の予想はよく外れるので黙っときます(笑)

そういえば、投資小僧さんはお元気でしょうか?
ブログはなくなってしまったのでしょうか?
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盛り上がるブログ (トミカ)
2007-03-15 21:27:46
毎日コメントがたくさん、盛り上がってますね。知的なコメントが多いのでいろいろ考えさせられます。ただ、ブログに言葉遣いがうんぬんはいかがでしょうか?ある人には先生でもある人にはオープンブログの作者。学校でもないのだし、、、。それからK氏が珍しく円高を論ずるのはそれなりの考えがあってのこと。私的なブログ内の発言だし、どうとらえるかは読み手の自由では?K氏の講演で以前に聞いた話。1ドル200円の円安説について「そんなに売られるほど海外に円は買われていない」結構説得力あると思います。それと
今の為替レート120円は1980年代前半の為替水準に匹敵するレベルで、安すぎる。なんて話を聞いたことがあります。慎重で客観的な方がズバリ言いきる時は、結構確信してる証拠では?ちょっとでしゃばりまして失礼いたしました。
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ありがとうぱろ (ナニユエ)
2007-03-15 23:38:06
ぱろ様ありがとうございました。 私は米国好きで、米国の陰謀であれこれ動いているなどとは全く思っていません。米国標準がよいと思います。 ただ あまり日本人が馬鹿で軽率でお人よしと周りから思われるような行動が多いのではないかと心配しています(日興に関する上場廃止の断定など)。円安は対ドルでは続くのではと思っています。 ユーロは強く金もユーロからみるとそんなに上がっていない。 結局 米国標準(システム)で動く円はドルに引っ張られあと半年はドルより弱く抑えられるだろうと思います。 断定は もちろんしませんが もちろん 
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さてさて ()
2007-03-16 00:22:22
なぜに金価格はNY株価に連動するようになったのか?先日、本文で書いたが、それはポートフォリオに金を入れる機関投資家が増えているということ。彼らは分散(ヘッジ)目的で金を組み入れ、株価急落で損失を被った際に、金を売却し益出しに向かったり現金の調達を図るということをやった。それだけ換金しやすいというのも金の資産としてのメリットでもあるが、結局、株価が急落すると資金手当てから金も売られることになり、金価格は株との連動性を高めるという結果になった。ドルとの連動性を高めることもあるが、いずれも一定の環境下でのこと。
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為替 (ジャック)
2007-03-16 06:13:04
いつも参考にさせていただいております。
円高懸念は、金融のクラッシュで円キャリーが一気に解消されることによるということでしょうか。
1998年に上記のことが起こったからそのような予想があるのでしょう。
ただ起点が150円からと、120円からとでは当然値幅は違うでしょうし、この10年で日本の絶対的・相対的立場がどう変化したかでしょうね。
バタバタと円を買い戻す人もいれば、虎視眈々と円売りを狙う人も出てくるでしょう。
相場の大きな変化を読むのは難しいですね。
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