2月12日のNY金は続落した。しかし、NY時間に大きく売られたものの終盤にかけ盛り返し小幅安で終了。
折しも米インフレ再燃懸念で米長期金利急伸を受け円は大きく売られ、国内金価格は大幅に最高値更新となった。10%の消費税込みで表記される店頭小売価格は、グラムあたり1万6000円が視野に入って来た。JPX大阪取引所の先物価格JPX金も本日は一時1万4500円台に乗せている。
12日発表された注目の1月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、物価上昇圧力の強さを示したことで米連邦準備理事会(FRB)の早期の追加利下げ観測が一段と後退し、米長期金利が急伸。
ドル高もあいまってNY金はファンドのプログラム売りで一時2880ドル台まで大きく売られた。
終盤に買い戻され、いったんはプラス圏に浮上したものの維持できず続落した。NY金の通常取引は前日比3.90ドル安の2928.70ドルで取引を終了した。
一時の下げ幅(前日比46.10ドル)を考えると押し目買い意欲の強さを感じさせた。ローソク足で言うなら下ヒゲの長い線となった。
12日の午前早い時間に発表された1月の米CPI上昇率は前月比で0.5%と市場予想の0.3%を上回った。2023年8月以来、約1年半ぶりの大幅な伸びとなる。前年同月比では3.0%と4カ月連続で伸びが加速した。市場予想は2.9%だった。共に予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げを急がない姿勢が裏付けられた。
変動の大きい食品とエネルギー成分を除くコアCPIは前年比3.3%上昇、前月比0.4%上昇。共に予想を上回って上昇した。昨年12月はそれぞれ3.2%、0.2%上昇だった。
トランプ大統領は昨年の選挙戦で、就任初日にガソリンと卵の価格を下げると訴えたが、皮肉にもこの2品目は1月に大幅に値上がりした。
鳥インフルエンザの感染拡大で需給が締まり鶏卵の価格が急騰(15.2%)したり、ホテル宿泊料や中古車価格の上昇などカルフォルニアの山火事の影響も指摘されている。
企業が年初に値上げを実施したことを反映しているとの指摘がある。また、輸入品に対する関税の引き上げを予想して、企業が事前に価格を引き上げていた可能性もあるとされる。
CPIの結果は、このところ2%の目標に向け物価が下がりにくい状況とされてきたが、それよりもむしろ上げている現状を明らかにしたといえる。
広範囲にわたって関税を課す方針を示しているトランプ大統領だが、やはりインフレ高進につながる可能性がある。
先週末7日に発表されたミシガン大学の消費者調査(速報値)では1年後のインフレ予想が前月の3.3%から4.4%に1%も跳ね上がり、2023年11月以来の高水準となっていた。消費者も関税導入で引き起こされそうなインフレへの警戒感を強めている。
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