本日19日のNY市場は奴隷解放記念日「ジューンティーンス」の祝日で休場。おおむね月曜日祭日の米国では珍しい日程設定は独立記念日などあるが少ない。週末の雰囲気が漂う。
18日はもともと多くのFRB高官の講演やパネル登壇など発言機会が予定されているところに、注目指標として5月小売売上高の発表が重なった。小売売上高のデータは消費者物価指数(CPI)や雇用統計ほどの注目度ではないにしても、米経済の7割を占める個人所費につながるものゆえに、やはり注目指標となる。
思えば経済指標もその時々の市場環境により、注目度が変化する。足元では20日に発表される週次の新規失業保険申請件数がそれで、前週辺りから増加傾向が見られることから俄かに注目度が上がっている。
その18日発表の5月米小売売上高は、前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。4月分は前回発表の横ばいから0.2%減に下方修正され3月分もやや下方修正された。下方修正の4月分と今回の5月からは4~6月期入り後も経済活動が低調だった可能性を示唆している。
思えば1~3月期GDPも改定値の下方修正は個人消費が下方修正されたことが背景だった。
小売売上高の結果を受け、米10年債利回りは4.227%と2月中旬以来4カ月ぶりの低水準で取引を終えた。
ゴールドと米長期金利の逆相関性はなくなったとか言うけれど、一定の期間を切り取ればそういうこともあるのは、昔からそうで、基本的にはある。例えばドル指数(DXY)との逆相関性も同じで、環境によってはドル高、ゴールド高という並列もあるわけで、このところはDXYより長期金利との逆相関の動きの方が出やすくなっている。
ちなみにDXYと書くのは、ドル指数にもいろいろあって、NY金を見るときに使うのがDXYであることによる。
18日のFRB高官発言はおおむね利下げ慎重発言が多かった。
ある面で予想通りだが、12日の5月CPIやその翌日のPPI(生産者物価指数)の鈍化がどの程度FOMCメンバーの見方に影響したかという点では、やはり1、2回の指標では足りませんという結果となった。
先週のFOMC後の記者会見でのパウエル議長の表現に倣えば「保守的な」意見が多かったということか。
それにしてもFRBの政策決定は1年以上「データ次第」の方針が続いているが、後手に回るリスクがあるものの、そういう時代なのか種々のリスクが存在するものの経済は安定しており、ここまでは大過なく経過しているというのが、現実となっている。 まぁ、そうは言っても国際情勢含めずいぶん環境は変わっている。安定はカネ余りの成せる技ということだろう。
明日はオンライン・セミナー。通貨ドルに関連した中銀の話を中心にする予定。そういえばにWGCが中央銀行に関するアンケート調査の結果を発表したが、いいタイミングでそのあたりの話もするつもり。
WGCのアンケートに答えたのは69行でその内の29%は自行で今後12カ月で金準備を増やすと答えていた。これは2018年の調査開始以来最も高い水準とされる。20行は今年も買うと答えているわけで、以前では考えられなかったこと。そもそもアンケートなどに答えない。答えていないところも買っているとみられるが。。