亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

申し分のない雇用統計の下でも底堅い金

2014年07月04日 21時13分41秒 | 金市場

昨日は最後に「3連休となるのでポジション調整を巻き込んで一方向に傾く可能性は否定できない。しかし、外部環境を考えると売り買い交錯ということか」としたが、結局、金市場については売り買い交錯で、雇用統計のあれだけの結果としては、むしろ“下げなかった”ということになった。昨年の地合いならば、一気に1300ドル割れということだったろう。やはり底堅い。

何ゆえ金は下げないのか、ベースになっているのは(好調な経済指標の下でも)低金利状態を長く続けるとFRBが表明していることがある。今回、雇用者の増加数が28万8000人となり修正された4月に至っては30万人を超えたことから、こうした状況下でも方針を変えずに超低金利を続けると結局インフレを招いてしまうのではないかとの捉え方が金市場にも生まれているようだ。確かに5ヵ月連続で20万人超の雇用増というのは、1990年代後半の「IT革命」華やかりし好況時以来のことで、そうそうあることではない。この状況を受けて今月末のFOMCにてどんな判断を下すのか見ものではある。しかし、市場の解釈としては、(それでも)まだまだFRBは方針を変えないだろう、ということ。

目先では来週発表される6月のFOMCの議事録要旨が注目される。どの程度出口に向けた話がされていたのか。おそらく全会一致で(印象としては)ハト派的な合意が生まれたように見えた声明文の内容と議長の記者会見だったが、利上げに向けた白熱した議論があったのではないか。そこが、まず目先の注目イベントだろう。


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