亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金1年7カ月ぶりの2000ドル台 

2022年03月07日 22時12分13秒 | 金融市場の話題

先週末4日はウクライナの原発の施設が被弾したということで市場の動きが大きくなった関係で、午後から外部対応に追われた関係で更新できず、ならばということで音声収録に切り替えpodcastを収録することにし当日の夜21時にはアップデイトしてもらった次第。さらに土日も原稿に追われて、当ブログ執筆のタイミングを逸してしまうことになった。そうこうしているうちに本日のアジア時間から金は2000ドル台に水準を切り上げた。

アジアの取引を1976.50ドルでスタートしたNY金だが、その素地は前週末4日の通常取引引け後の時間外取引が、いわゆる高値引けになっていたことがあった。具体的には1974.90ドルだったが、この価格、(例の乱高下した)2月24日のザラバの高値1976.50ドルを抜けないまま終了するかたちになっていた。本日のアジアはジャンプスタートでこれをクリア。現在日本時間の20時だが、ここまでのところ安値は1977.00ドルなので、いわゆる窓を開けた形になっている。今朝はちょうど同じタイミングでWITがいきなり130.50ドルの高値に飛んだことから、金も連れ高状態になり、ここでまず2005.20ドルの高値を付けることになった。

このところNY金先物は(国内OSEも)いわゆる回転が利く状態にあり、2000ドル超は待ってましたとばかり売りが先行したのは、当然だろう。その後の展開は2000ドル手前での狭いレンジ取引に移行し、ロンドンの早朝には1980ドル台前半まで下押したが、下値はそこまでだった。ロンドン時間に入り再び買いが先行する形で2000ドル台に復帰。アジア時間の高値を突破し2007ドルどころまで買われ、今はNYの通常取引開始に向け2000ドルをやや上回る水準で売り買い交錯状態となっている。

先週1週間と本日ここまでで110ドル余り跳ねているわけで、ここからどのような材料に、どう反応するのか。具体的には上げが加速するのか、いったん押し戻されるのか興味深い。

 

先週金曜日4日は、アジアから欧州と株安は連鎖し、米国株も下げ世界同時株安となったが、 言うまでもなく仮に原子力発電所の事故につながった場合に、大きなダメージが想定されることから、ユーロが売られ欧州株全般の下げがきつかった。それぞれドイツ4.41%、フランス4.97%、イタリア6.24%、スペイン3.63%、英国3.48%と大幅安で取引を終了。米主要株指数も下げたもののダウ30種が0.53%もっとも下げが大きかったナスダック総合でも1.66%なので、欧州株の下げは突出していた。 本日は日経が3%弱売られたが、欧州株は全面安ながらここまでのところ2%台にとどまっている。ユーロが直近の安値更新で1.08ドル台に突っ込んでいる。

今週は10日(木)の2月の米CPI以外、目ぼしい指標はなく、もっぱらウクライナ関連のニュースとそれに伴い揺れる原油の動向に影響を受けることになりそうだ。世界的に株価の動向も注目点になる。本日は入稿したレポートのタイトルの一部に「生きない経験則」という表現を入れた。先週だったか、株式関係者の「『銃声が鳴ったら買え』は今回も正しかった」というようなコメントを目にしたが、日計り、1日計りの取引に有効ということで近視眼的ということか。

3月4日21時更新のPodcast版 亀井幸一郎のゴールド・ボイス

「#41 有事の金とウクライナ侵略戦争」 以下のバナーをクリック下さい。

 

 

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