亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

売られるドルと米国債

2009年05月11日 20時13分37秒 | 金融市場の話題
先週目立ったのは為替市場でのドル安だった。ドルインデックスが3月の下値を切り、1月9日以来の82ポイントを記録するところまで売られた。元々昨年来の一連の危機の中でのドルの上昇は、マネーフローとドルキャッシュの囲い込みが同時多発的に起きたものと見られ、したがって事態の鎮静化の展望が開けるならば需給からは、ドルは売られやすいと見られていた。ユーロ圏の窮状が指摘されたりもしているが、ドイツに回復の兆しありとの話が伝わっている。取り残されたドル円の修正が、これからの注目点か。さっそく本日は97円台に入ってきた。

もうひとつのポイントは、以前から注目している米債券市場。先週はドル同様に米国債にも売りが見られ10年債の利回りは一時3.3%台まで上昇した。3月18日のFOMCにて量的緩和の導入発表の際には、過激に反応したものの、それも当日で効き目は切れた。すでに12月のFOMCの際の量的緩和採用方針というアナウンスメント効果で2%そこそこまで付けていただけに、完全に織り込み済みということ。後は新発債の激流に流されぬようにNY連銀の監視が続いている。回復期待から債券から株への資金シフト・・・などという理想的な話ではないだろう。

そういえば先週末、ワシントンの地銀が破綻していたが、今年に入り33行目。もともと中小行が多いので数だけが問題ではないが破綻の増加は続いている。ちなみに昨年は年間で25行だった。




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