亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

益出しの口実になったFOMC議事録

2018年01月04日 23時40分48秒 | 金市場
さて12月のFOMC議事録は、総じてサプライズはなかった。税制改革法案つまり減税法案の成立を前提にその景気押し上げ効果を読み、緩やかな金利の引き上げ継続が妥当という内容。ただし、物価上昇の鈍さを背景に利上げペースに関し、意見に開きあり。そのインフレ率の鈍化に関する懸念、(先行きの景気鈍化を示唆するとされる)10年国債と2年国債の利回りの接近(イールドカーブのフラット化)懸念、加速しない賃金上昇などなど多くの項目が議論されたようだ。物価上昇については、基調としてはしっかりしているというのが、現時点での総意ということに。

こうした文脈からすると、明日の雇用統計は、やはり賃金上昇が最大の関心事に。仮に引き続き上昇が鈍くとも、失業率の更なる低下があると、“いずれ物価は加速する”ということで、見方に変更ナシということになるのだろう。

日本時間の4日早朝に発表されたFOMC議事録を受けた市場は、ドル高で反応、金は時間外取引で売られ6~7ドルストンと落ちることに。しかし、その後徐々に買い戻され終値近辺に戻したものの、本日のアジアの時間帯に売りなおされることに。

NY金については、ここまで9連騰となっていただけに、利益確定売りのいい切っ掛けになったということか。逆に年末から年始にかけて全面安状態になっていたドルにつては、買戻しの機会になったということか。長期金利がジワジワと上げているのだが、どこまで行くかが目先の関心事。

米政治リスクに関して、こんどはスティーブ・バノン前大統領首席戦略官が近く発行される書籍の中でインタビューを受けた発言を巡り、トランプ大統領との間でゴタゴタ勃発。ロシア・ゲートに関連する内容だけに、こうした政治リスクが、金利上昇という売り材料に抵抗を示している金のサポート要因になっていることは間違いなかろう。しぶとく1310ドル台をウロウロ。なお、今夜発表されたADP民間雇用はよかった。今夜もまたNY株は高値更新か・・。

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