昨夜はドル建て金の動きに集中していたらが、気がついた時にドル円は3月の安値を更新していた。これで名実ともに、震災後の協調介入をもってしても流れは変らなかったことになる。資金フローの観点からは、夏以降のほうが円高に振れやすいとみられるとしたが、もっとも、欧米勢の(協調)介入目的は、ハナから1ドル=70円台という水準を問題視したものではなく、当座のマーケットのパニックを防ぐものだったので、元々水準訂正に効果ありやナシやという論点は日本サイドのものだった。
それにしても、このところのドル円相場は76円台で張り付いたままだったので、この間のドル建て金価格の急騰を国内金価格はモロに反映する形で急騰状態だった。こちらも戻り高値を更新中。短期派はロングを持っていないと勝負にならない状態だ。
日経の論調では、またゾロ介入かという感じだが、先般のG7電話会議では為替介入には否定的なトーンだと思ったが・・・。トリシェ総裁など、G7終了後の記者会見で非難口調ではなかった。過去のドル買い介入の結果、その後のドル安円高で足元で40兆円もの含み損を抱えているという記事を本日の日経が掲載している。実現損ではないので問題ナシという「国際金融筋」のコメントまであった。借金で組んだポジションで損が出た場合、税金(あるいは新たな借金)で処理することになる。“自己都合”で軽々しくやらないでもらいたい。
8月の介入が力技で買い上がったもんだから、妙な期待を生んだとされ、結局こうした積み重ねが逆にドル円の下げトレンドの延長につながっている。秋に向け国際金融の場はイベント続きであり、仮に介入した場合、力技とはいえ高校横綱と大相撲の横綱が相撲を取るようなものだろう。高校横綱は高校生ではあっても素人ではないので多少のアタリはある。しかし、そこまでということか。