米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定内容が注目された6月10日のNY市場。現地時間午後2時に発表された声明文、メンバーによる経済見通し、そしてその後のパウエルFRB議長の記者会見の内容を受け、通常取引終了後の時間外取引に移行していた金は、8営業日ぶりとなる1747.90ドルで11日の時間外の取引を終了した。この日の金市場は、アジアからロンドンの時間帯を通し小動きながらプラス圏で推移。NYの通常取引に入ってからは、買いが先行する形で水準を切り上げ1730ドル台を超えるところまで上昇。ただし、その後はFOMCへの警戒感もあり売り優勢の流れに転じ、マイナス圏に落ち込むことに。そのまま横ばいで通常取引は前日比1.20ドル安の1720.70ドルで終了していた。その後前述のようにFOMCの決定を受けて上昇、高値は1749.40ドルまで見て、本日11日のアジア時間の取引に引き継がれた。
FOMCでは、少なくとも2022年末まで現在のゼロ金利政策を維持する方針が示された。量的緩和策の資産買い入れ目標も、これまでの「必要とされる量」から月1200憶ドル買い入れることが示された。具体的には、国債は月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)や政府機関債も同400億ドルを当面の目安とする。昨日、取り上げたように足元で1日あたり40憶ドルの国債を買い入れていることから、このペースを今後数カ月維持することが示された。政策方針を約束するフォワードガイダンスほどの強い印象はないものの、それに近いスタンスを示したものと思われる。
〇胸を撫でおろす金市場
金市場には、リーマンショック後の国際金融危機の混乱が一巡する中で、2013年春に量的緩和策の段階的縮小(テイパリング、tapering)観測の高まりから、一気に投資マネーが引き上げられ、急落状態に陥った経緯がある。株式市場も同様に急落し、時のFRB議長ベン・バーナンキにちなみバーナンキ・ショックやテイパータントラム(テイパリングによる混乱状態)と呼ばれた。そうした面で金市場には、テイパータントラム恐怖症とも呼べるものが残っている。FRBは3月から5月にかけて前代未聞の資金供給を行い、足元でそのペースを落としていた。危機対応型の資金供給は終わったとの判断で、ならばこのまま縮小を模索するのかというと、警戒はまだまだ解けない状況が今後1年以上は続くという見立てを今回示したことになる。今回の方針表明はテイパータントラムの後遺症に悩む(?)金市場に安心感をもたらしたと思われる。いずれにしても、今回のFOMCの決定内容は、金市場にとって押し上げ要因となりそうだ。節目の1750ドルどころは売りが控え、本日のアジア時間は押し戻された。本日11日のNYの時間帯に上抜けると思われるが、果たしてどうなるか。
今回のパウエルFRB議長の記者会見で印象的なのは、「不確実性」という言葉が何度も使われたこと。先行きの見通しを示すこと自体が、中央銀行とはいえ難しい環境にある。
FOMCでは、少なくとも2022年末まで現在のゼロ金利政策を維持する方針が示された。量的緩和策の資産買い入れ目標も、これまでの「必要とされる量」から月1200憶ドル買い入れることが示された。具体的には、国債は月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)や政府機関債も同400億ドルを当面の目安とする。昨日、取り上げたように足元で1日あたり40憶ドルの国債を買い入れていることから、このペースを今後数カ月維持することが示された。政策方針を約束するフォワードガイダンスほどの強い印象はないものの、それに近いスタンスを示したものと思われる。
〇胸を撫でおろす金市場
金市場には、リーマンショック後の国際金融危機の混乱が一巡する中で、2013年春に量的緩和策の段階的縮小(テイパリング、tapering)観測の高まりから、一気に投資マネーが引き上げられ、急落状態に陥った経緯がある。株式市場も同様に急落し、時のFRB議長ベン・バーナンキにちなみバーナンキ・ショックやテイパータントラム(テイパリングによる混乱状態)と呼ばれた。そうした面で金市場には、テイパータントラム恐怖症とも呼べるものが残っている。FRBは3月から5月にかけて前代未聞の資金供給を行い、足元でそのペースを落としていた。危機対応型の資金供給は終わったとの判断で、ならばこのまま縮小を模索するのかというと、警戒はまだまだ解けない状況が今後1年以上は続くという見立てを今回示したことになる。今回の方針表明はテイパータントラムの後遺症に悩む(?)金市場に安心感をもたらしたと思われる。いずれにしても、今回のFOMCの決定内容は、金市場にとって押し上げ要因となりそうだ。節目の1750ドルどころは売りが控え、本日のアジア時間は押し戻された。本日11日のNYの時間帯に上抜けると思われるが、果たしてどうなるか。
今回のパウエルFRB議長の記者会見で印象的なのは、「不確実性」という言葉が何度も使われたこと。先行きの見通しを示すこと自体が、中央銀行とはいえ難しい環境にある。
今回はアメリカ経済限定の話でしたが、次回は金相場の話ですから、時間に収まらなくて後半が駆け足になるのがいつもですから、オンライン限定で時間制限無し 全部話す セミナーいかがでしょう? 亀井先生は脇道にそれた時の話が面白いです