亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

景気か(インフレ・・・でなく)市場の期待か、それが問題だ

2006年07月21日 23時25分55秒 | 金融市場の話題
昨日に続いて米国金融政策の話。6月29日のFOMCの議事録が公開された。「今後の物価と景気見通しの状況により判断する」というスタンスは同じで、次回つまり8月8日の会合での利上げについては不確実な要素が多いというのが多数意見だった。要は、「よくわかりません。ここまでの利上げは行き過ぎかも・・・」と受け取れる内容と読める。よく分からないと言っているものを、市場サイドはやれ「打ち止めは近い」とか「利上げ継続だ」とか、勝手に解釈して右往左往しているということ。何だか、決め打ちできたグリーンスパン時代を懐かしむ声も出てきそうな雲行きになってきた。

前回のFOMCの前には連銀幹部が盛んにインフレ警戒モードを吹聴しているのが目立ったのだが、おやっ!?と思ったのが、連銀幹部の間では景気面からは更なる利上げはやり過ぎとの見方があったものの、市場サイドが利上げの実施を織り込んでしまったため(織り込ましたんだろうにね)、その期待を違えることが金融当局の信任に傷をつける可能性があった、それで利上げに踏み切った・・・・(ウォール・ストリート・ジャーナル・ネット版7月21日)という記事を読んだとき。連銀は、市場の期待を元に判断を下すことはないはずなんだけどね。。

何だか、、、ヤバくないっすか~~。

メリルリンチのストラテジストの一人が、グロバル化の弊害として世界中で貧富の格差が容易に解決できないほど広がってしまい、摩擦が増えるとして顧客に「金」を勧めるというニュースを目にしたが、こちらは政治的な要素に着眼してのもの(地政学的リスク)。いまのFED(米連銀)の政策運営に着目しても、資産の分散はますます必要になっているように思えるのだがねぇ。いまWSJは一般読者を対象に、議長としてのバーナンキをどう評価するかという5段階評価の投票をやっている。米国内の評価は比較的高く、外は低いのかも。昨日も書いたが、新議長が問題というよりも環境が難しすぎるということ。

金市場は、だらだら下げてヒヤッとさせて次の瞬間には反転で、なんだよ~驚かすなよ!という展開。

暗い海域を照らす一筋の灯り、本州最南端「潮岬の灯台」。「潮岬に灯台あれど 恋の闇路は 照らしゃせぬ」・・・これ串本節の一節 

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