相場というものは気まぐれなもので織り込み済みとなっていたECBの利下げ見送りをきっかけに金価格は値を飛ばすことになった。もとよりNYコメックスのファンドの動きが乱高下を作っているので、10日はドラギ総裁の記者会見の内容に後押しされる形でユーロが対ドルで急騰。そのままファンドの金買いにつながった。国内では、日銀に対する政府のプレッシャーは緊急経済対策の発表と相まって、いや増すばかり。この環境の中で国内金価格は東工取は上場来高値を更新。店頭小売価格(税込)も5000円突破となっている。
このところの株高もあり世界景気の見通しに明るいトーンが広がっている。金上昇の伏線に先行したプラチナ、パラジウムの上昇がある。10日も12月の中国の貿易収支は316億ドルの黒字と前月11月の196億ドルから急増となり7ヵ月連続縮小が止まるばかりでなく、上振れがサプライズとなった。中国の貿易収支の黒字縮小は、すなわち輸出の縮小だが、中国景気のハードランディングを警戒する見方もあったからだ。このところの上昇で金とプラチナの価格差が縮まっていたが、プラチナがさらに上げ足を速めたことが逆に金価格を押し上げる下地を作ったと見られる。
ただ上げ足を鮮明にしたのは、ECB理事会とドラギ発言だった。結局、無制限で買い取る、私を信用しなさい・・・発言から市場に安定感が出ている中で米国の住宅市場の底打ちを中心とする回復期待の広がりが、また何度目かの“夜明け期待”につながり、2013年はユーロ圏も相乗的に浮上という見通しだったように受け止めた。「事態が悪い時に伝染ということがしばしば口にされたが、良くなる時にはプラスの伝染というものがあると思う」という発言がそれを表す。もちろん慎重姿勢は崩していないので、緩和策の解除は考えてはいないが、うまく行けば年後半から来年ということだろう。うまく行けばということだが。
ユーロが対ドルで急伸し、ファンドのショートカバーが金価格を押し上げた。金の輸入税の引き上げを模索しているインド財務省の方針が伝わっているが、その前に輸入をという駆け込み的な買い付けがこのところインドの輸入量を増やしているというニュースもある。
国内はドル円。ほとんど調整らしい調整はなく、みなドルに強気になってきているので、ドル建てよりも国内円建てが為替面でこれから要注意の領域に入るのではないかと思う。21、22の日銀金融政策決定会合がイベントの節目。
このところの株高もあり世界景気の見通しに明るいトーンが広がっている。金上昇の伏線に先行したプラチナ、パラジウムの上昇がある。10日も12月の中国の貿易収支は316億ドルの黒字と前月11月の196億ドルから急増となり7ヵ月連続縮小が止まるばかりでなく、上振れがサプライズとなった。中国の貿易収支の黒字縮小は、すなわち輸出の縮小だが、中国景気のハードランディングを警戒する見方もあったからだ。このところの上昇で金とプラチナの価格差が縮まっていたが、プラチナがさらに上げ足を速めたことが逆に金価格を押し上げる下地を作ったと見られる。
ただ上げ足を鮮明にしたのは、ECB理事会とドラギ発言だった。結局、無制限で買い取る、私を信用しなさい・・・発言から市場に安定感が出ている中で米国の住宅市場の底打ちを中心とする回復期待の広がりが、また何度目かの“夜明け期待”につながり、2013年はユーロ圏も相乗的に浮上という見通しだったように受け止めた。「事態が悪い時に伝染ということがしばしば口にされたが、良くなる時にはプラスの伝染というものがあると思う」という発言がそれを表す。もちろん慎重姿勢は崩していないので、緩和策の解除は考えてはいないが、うまく行けば年後半から来年ということだろう。うまく行けばということだが。
ユーロが対ドルで急伸し、ファンドのショートカバーが金価格を押し上げた。金の輸入税の引き上げを模索しているインド財務省の方針が伝わっているが、その前に輸入をという駆け込み的な買い付けがこのところインドの輸入量を増やしているというニュースもある。
国内はドル円。ほとんど調整らしい調整はなく、みなドルに強気になってきているので、ドル建てよりも国内円建てが為替面でこれから要注意の領域に入るのではないかと思う。21、22の日銀金融政策決定会合がイベントの節目。