早いもので今年も半年が終了した。6月30日は、1年前とは異なり四半期末、上半期末の金価格は上昇で取引を終了した。NYコメックスベースで6月の金価格は6%の上昇となり過去4ヵ月では最大の上昇率ということになった。同時に4-6月期は3%の上昇で2四半期連続の上昇となったが、これも2011年以来のこと。いずれにしても、派手な値動きこそないものの総弱気の中、金は半年にわたり上昇基調を維持したことになる。ちなみに30日は、金ETFの最大銘柄「SPDRゴールド・シェア」に5.46トンとまとまった買い(残高増)が見られたが、期末のポジション調整ということか。
外部要因としては、引き続きイラク情勢の緊迫した状況は変わっておらず、スンニ派武装勢力はウェブサイトで「イスラム国」の樹立を宣言するなど国家の分裂の危機はむしろ深まっている。この混乱が宗派対立の拡大から周辺国に波及する懸念さえ指摘されている。また停戦に向けて話し合いが持たれたウクライナ情勢も、結局折り合いがつかずポロシェンコ・ウクライナ大統領は停戦の打ち切りを宣言し、攻撃を再開する方針をしたことが日本時間の本日早朝に伝えられた。これを受けてNY時間外の取引では金価格は再び1330ドルを超えるところまで買われたが、それ以上の動きはなし。地政学要因の高まりは、半年前の年始には想定されていなかった。