亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米自動車販売の急減

2008年12月03日 18時56分55秒 | 金融市場の話題
昨日の急落の後を受けたNY株式市場は自律的な反発を見せダウ30種、ナスダック総合株指数ともに3%超の上昇。2日の市場は主な経済データの発表もなくGMなど米系自動車3社に対する議会による救援策の有無に向けた公聴会を控え、この日が再建策の提出期限につきその内容に市場の関心が集まった。

その一方で発表された11月の米新車販売台数(速報値)は、前年同月比36%減の74万6789台とさらに悪化し1982年10月以来、26年ぶりの低水準となった。GMが41%減、クライスラーが47%減と減少幅は拡大していた。販売不振は日本車まで広がっており、日本勢もトヨタ33%、日産42%、ホンダ32%と軒並み大幅な減少に見舞われる結果となった。11月の販売台数を年率換算すると約1020万台となるとのこと。07年の実績1600万台超との比較をすると足元の急収縮の状況は、やはりただ事ではないといえる。

トヨタ・ショックという言葉まで生まれたトヨタの営業益1兆円の下方修正や、今朝の日経朝刊一面を飾っていた「JFEや神鋼、高炉を一時休止へ」というニュースの背景となっているミクロの材料が、この自動車販売の速報値の表れているわけだ。詳しくはなかったが、記事を読めば高炉の休止は物理的にも、できれば避けたい対応策というのは理解できる。しかし、それをやったほうがいいだろうという経営判断を下したということ。それが正しいのか否かは、現時点ではわからない。

米国では、FRBが自動車ローンなどで構成される証券までも買い取って、空いた融資枠でもっと自動車ローンを組んでくれという政策に乗り出すと発表したばかり。中央銀行をして、そこまで乗り出させる判断をさせるような急収縮ということ。

確か、いまから6~7年前にグリーンスパン治世下のFRBは日本をモデルに如何にしてデフレ化を避けるのかという、研究をしたと聞いたことがある。その時にはバーナンキ現議長も理事の中に入っていたのではなかったかな?研究は進んでいる。でも、それで乗り切れるのか否かは、誰にもわからない。

ところで金市場だけど、週初めのデータでわかったのはその前の急騰は、やはりショートカバー主体のものだったということ。

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5 コメント

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バーナンキ議長は (プニ)
2008-12-03 21:39:34
バーナンキ議長は、日本デフレ研究の論文発表者
ではなかったですか?
現金融危機を予想して育成された人材と聞きましたが。。。
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Unknown (こがねむし)
2008-12-04 20:24:43
どんな論文ですか?
だれが予想して育成したんですか?

なんてことは聞きませんが、副島氏の本のくだりにありますね

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育成? (K)
2008-12-04 21:51:23
誰にも裏の取れない話は、ストーリーテラーの独断場と思います。
仮説の上に仮説を重ね、さらに重ね、導いた結論の現実との乖離に気付いていないのは当人という例もありそうです。
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確かに裏のとれない話ですが (fairlane)
2008-12-05 01:24:47
副島氏の主著は『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』なのですが、これを読むと単なるストーリーテラーでないことがわかります。
私もつたない英語で、アメリカ人に、この内容は本当なのか?と聞いてみましたが、ニヤっと笑って、本当だと言われました

それは「英文法の謎を解く」3部作でもそうでした

『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』の内容をパクってる本は多いですよね。ひどいのはTVに出てアメリカ政治解説をしている人の講談社新書の著書がほとんどこのパクリであったことがありました。

最近の金融本はともかく、副島氏のアメリカ政治分析は本物です
2007年の春から、大統領選はオバマが勝つと予測したのは日本では副島氏だけです

その副島氏がバーナンキはいわゆるヘリコプターをやるために育成されたと書いているのですが、信じたくなりますよね、と言うより私は信じてます

どうも経済本では評判が悪いですよね
副島氏には政治本と英語教育本の分野に戻ってほしいです
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私も信じざるを得ない。 (ライラック)
2008-12-05 09:53:32
2000年以降の副島氏の著書を読んでいると初版はいつかとつい巻末を見てしまうことが多い。早くから、フレディーマックとファニーメイの破綻を言い当てていたし、大体彼の言うとおりになっている。
その点長谷川慶太郎なんて全く当たらない。読む価値なし。
個性が強いから好き嫌いが分かれると思うけど、言ってる事の確かさはピカ1だと思う。だからこそ3流大学に押しやられ、冷や飯食わされるのだろう。この前もTVでおばちゃんエコノミストが個人国債を勧めていた。ったく。読んだことの無い人は一読をお勧めする。新刊は人気が有るので2004年初版あたりなら図書館でも借りられると思う。彼の凄さを実感して欲しい。
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