亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

パウエル包囲網、インフレか雇用か

2021年08月27日 20時46分22秒 | トピック
>ジャクソンホール会合の当日となった。前日の26日にやっと当日の詳しいプログラムがカンザスシティ連銀から発表された。

27日の午前10時に開幕となるが、もともとここにパウエルFRB議長の講演が入っていたが、そのまま変更なしとなった。日本時間では今夜の23時スタート。そもそも2日目のスタート時の講演となっていた。会議全体のテーマは「不均等な経済におけるマクロ経済政策」。その中でパウエル講演のテーマは、「経済見通し」となっている。パウエル講演は、端的にはインド型デルタ株蔓延の中で、インフレを取るか雇用を取るかということになる。

26日はあたかもパウエル包囲網のような複数の連銀総裁のテーパリング早期着手発言が続いた。報道に詳しいが、ざっとまとめると、セントルイス連銀のブラード総裁が米CNBCテレビで「現時点で資産購入は必要ない」と指摘。インフレ率が鈍化するかどうか疑問を抱いているとし、テーパリング(量的緩和の縮小)を開始する必要性を強調。FOMC(連邦公開市場委員会)メンバーの意見が「テーパリング計画について、まとまりつつある」とした。その上で来年の1~3月期末までに資産購入を終わらせるよう改めて主張した。もっとも、同総裁は6月のFOMC前あたりからタカ派的主張に鞍替えしたことで知られていることから、市場では過度な反応はみられなかった。

ダラス連銀のカプラン総裁も、同じCNBCテレビとのインタビューで「9月のFOMC(連邦公開市場委員会)会合で買い入れを調整する計画(テーパリング)を発表し、10月またはその後すぐに計画を実行し始めるというのが、引き続き自分の考えだ」と強調した。一方、年次経済シンポジウムの主催者でもあるカンザスシティー連銀のジョージ総裁も、FOXビジネスとのインタビューで、インフレ率の上昇は「資産購入を縮小する機会になる」として、年内の調整も可能との見方を示した。引き続き経済の成長や雇用の増加が予想されることから、FRBは早めにテーパリングを始めるべきとしている。議長の講演が予定されている前日の段階で、こうした声がそろい、まるでプレッシャーを掛けるかの状況は珍しいのではないか。日本時間の本日になってアトランタ連銀のボスティック総裁もこの輪に加わり、8月の雇用増が100万人くらい増えれば、10月にスタートしてもいいのではないかとしている。

何度も書くように、ここまでの経過ではテーパリングへの移行は既定の方針につき、そのタイミングの見極めということになる。しかしFRBは割れている。もっとも、ジャクソンホールを前にさすがに理事の発言は見られていないが・・・・。さてどうなるか。講演はライブで日本でも見ることができる。

アフガン情勢は、悪い予想の方向に進んでいる。CIA長官が現地に飛んで、隠密裏タリバン幹部と撤退作戦の延長を打診し、拒否されるという米国メンツ丸つぶれのような事態でやむなく31日までの撤収と言うことになったが、その時点で素人考えでもテロ攻撃の対象になるのかな・・ということだろう。もちろん米軍も最新の注意を払っていたと思うが、自爆テロはなんとも・・難しい。しかし、いよいよGゼロを思わせる事態で、世界中に米国は弱くなったなぁというイメージは広がっている。それでも強力だが。。

昨夜のオンライン・セミナー参加の皆様、many thanksです。ありがとうございました。

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