さてさて1日空いてしまったが一昨日ここで最後に「FRBとしては6月の利上げは、よほど指標が良くない限り見送るものと見ている。ブレイナード理事の発言を聞きたいのだが、講演にもインタビューにも出てこない。大統領選挙との兼ね合いも考えているのだろうか・・・・」と書いた。
何のことはない、日本時間の今夜深夜1時30分から、ブレイナード理事の講演予定が入っていた。週明け6日月曜日に予定されているイエレン議長の講演は目先の最注目イベントだが、この局面、雇用統計の結果が出た後というタイミングでの同理事の登場は非常に興味深い。
本日はロンドンでハト派のシカゴ連銀エバンス総裁が、「コアインフレ率が実際に2%に届くまで利上げを遅らせるのが最善かもしれない」と述べるとBloombergが講演テキストを引用して報じているが、まさにこうした考えを昨年10月から主張していたのがブレイナード。FRB内部での意見の割れとここで昨年書いたことがあるが、その後この主張を受け入れる流れが出来たと思われる。
そこで今夜の雇用統計だが、昨夜のADP民間雇用データが、市場予想の17万5000人にほぼ沿った17万3000人となったことから、非農業部門の雇用者の増加数は16万人増が予想の中心となっているが、上方修正するところも出ている。その一方で、5月には米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズがストを行った関係で、一時3万5000人の雇用が失われており、この数字をADPのデータは反映していないとの指摘がある。反映させた場合には、14万人台の増加であり、今夜発表の雇用者増加数も下振れする可能性がある。
仮に下回るなら、金は反発ということになる。先物市場での売りが足元で断続的に出ているのだが、2日の「SPDRゴールドシェア」は残高を4.46トン増やし、875.20トンと年初来の残高水準を更新し2013年11月の水準になるなど、こちらは逆の動き。今夜の結果を、先読みしての動きようにもみえるが、さてどうなるか。
いずれにしても今夜は、日本時間21時30分の米雇用統計の結果と、明けて1時30分からのブレイナード理事の講演という2本立てとなる。